岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

戦争で裂かれた愛の物語

2022年05月30日

ひまわり 50周年HDレストア版

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【出演】ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニ、リュドミラ・サベーリエワ
【監督】ヴィットリオ・デ・シーカ

名シーン満載、名曲に包まれて、名演を堪能する

昨年公開された『ONODA 一万夜を越えて』(アルチュール・アラリ監督)は、第二次世界大戦中、陸軍少佐だった小野田寛郎が、フィリピンのルバング島で終戦後も投降することなく、日本兵として戦い続けていた29年間を描いたフランス映画。小野田少佐が帰国したのは、1972(昭和47)年3月だった。

その2年前、横井庄一陸軍軍曹が、グアム島で発見投降し帰国している。

戦争は理不尽に人の絆を引き裂く。

第二次世界大戦終戦後のイタリア。出征したまま帰らない夫の消息を求め、ジョバンナ(ソフィア・ローレン)は、関係する役所への日参が続いていた。一向に手がかりもないまま、ジョバンナは疲れていた。

大戦中のナポリ、陽気なお針子娘ジョバンナは海岸でアントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)と出会う。すぐに意気投合したふたりは、たちまち恋に落ちるが、アントニオはアフリカ戦線行きを控えた兵士だった。別れがたいふたりは、12日間の結婚休暇を目当てに、結婚式を挙げて、つかの間の新婚生活に入るが、12日はあっという間に過ぎてしまう。次にアントニオは疾病による除隊を目論む。

『ひまわり』をはじめて観たのは、テレビ放映だった。『ローマの休日』(ウィリアム・ワイラー監督/1953年/日本公開54年)のオードリー・ヘプバーンに恋したのと同じく、テレビに映ったソフィア・ローレンにも恋した。でもこのふたりの女優は、かなりタイプが違っていて、ソフィア・ローレンには、はち切れるような、陽気な躍動感が身体全体からあふれていた。全く違う魅力を備えたふたりの女優。

夫の帰還を待つジョバンナは、アントニオと同じ部隊にいた男からの話を聞くことになり、極寒のソビエト戦線の雪原で倒れた姿を見たのが最後だったという情報を得る。ジョバンナはソ連へ向かう。

監督はイタリアン・ネオリアリズモを代表する名匠ビットリオ・デ・シーカで、駅の別れのシーンを効果的な劇的使いで、ドラマを盛り上げている。

スターリン政権後の冷戦下のモスクワの冷たい風景の隠と、ウクライナで撮影されたひまわり畑の圧倒的な陽の対比が、戦争で引き裂かれた男女の心の陰陽と重なり余韻を引き出している。

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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