岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

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ナチスの忌わしい記憶をあぶり出すスリラー

2022年04月12日

マヤの秘密

© 2020 TSWK Financing and Distribution, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

【出演】ノオミ・ラパス、ジョエル・キナマン、クリス・メッシーナ、エイミー・サイメッツ
【監督・脚本】ユヴァル・アドラー

マヤの行動の狂気が説得力の陰りになるのが残念

1950年代の後半、アメリカの地方都市のとある街。

ある日、マヤ(ノオミ・ラパス)は、街中で指笛を耳にする。その指笛を吹いた男を確認したマヤは、思い出したくない過去の強迫観念に取りつかれることになる。

マヤは夫のルイス(クリス・メッシーナ)と息子のパトリックと3人で暮らしているが、戦争中に負った悲惨な記憶のフラッシュバックに夜毎悩まされていた。医師でもあるルイスはそんなマヤを気遣い、献身的に治療にもあたっている。

『マヤの秘密』はスリラー映画であり、マヤが街で発見した男を突然、拉致誘拐するという、強引な行動に出ることで物語は加速する。観る側はその進展の意外性に驚かされることになる。

その男トーマス(ジョエル・キナマン)をルイスの協力を得て、自宅の地下室に監禁したマヤは、男に詰問し真実に迫ろうとするが、それは自らの記憶の曖昧さを意味しているようにも見える。一方にある確信との間で揺らぐ決意が、マヤの行動の異常さを強調する。ルイスにも妻を信じたいという思いはあるものの、マヤの狂気に疑念を感じてもいた。

マヤの過去は記憶の断片として、少しづつ明かされていく。

第二次大戦中のルーマニア。ナチの脅威から逃れるため、マヤは妹のミリアーと共に、隠れ家に身を潜めていた。しかし、ナチの兵士に発見されてしまう。兵士たちの女性への暴力と凌辱が続く。

マヤの出自がロマ(=ジプシー)であることも明かされ、断片的な記憶もトーマスとの対峙によって、次第に鮮明化され、確信へと転じるのだが、マヤはそれをより確かなものに変えるため、トーマスの家族に接近する。

マヤを演じるノオミ・ラパスはスペイン系スウェーデン人。『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』(09/日本公開10年)で注目され、ハリウッドに進出、多くのサスペンス映画に出演。本作では製作総指揮も務め、キャラクター設定にも深く関わっている。

監督、脚本のユヴァル・アドラーは、イスラエル出身で本作は長編3作目。ナチスへの告発の意思は揺らぐことなく貫かれている。

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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