岐阜新聞映画部映画館で見つけた作品フォレスト・ガンプ/一期一会 4Kニューマスター版 B! 一期一会の出会いを忘れず、人を信じ抜く大切さを描いた映画 2022年04月05日 フォレスト・ガンプ/一期一会 4Kニューマスター版 © 1994 by Paramount Pictures.All Rights Reserved. 【出演】トム・ハンクス、サリー・フィールド、ロビン・ライト、ゲイリー・シニーズ、ミケルティ・ウィリアムソン 【監督】ロバート・ゼメキス 黒人差別を描かなかったのは、意図的なのか? 不朽の名作と言われる『風と共に去りぬ』(1939)がそうであるように、その時代での限界というものがある。黒人に対する描き方は今では考えられないが、だからと言って価値が下がるとは思えない。 リベラルな傾向の強いハリウッドで『フォレスト・ガンプ 一期一会』は1995年のアカデミー賞作品賞に選ばれている。今から見ればアメリカの現代史の都合のいい一面だけを描いており黒人解放に触れられていないのは違和感ありありで保守主義の典型的な映画だと思うが、1995年の公開当時には巧みなストーリーテリングもあり私は素直に感動していた。そもそも作品賞に輝くというお墨付きなのだ。 一期一会の出会いを決して忘れず人を信じ抜く大切さを体現しているフォレスト・ガンプ。50年代から80年代のリアルな史実に彼が関わっていたという「ほら話」は、「そんなのありえネー」と笑いつつ夢物語としては楽しくみることができた。 当時の最先端を行くCGや流麗かつ躍動感のあるドン・バージェスの撮影、コミカルかつ重厚感のあるロバート・ゼメキスの演出、タイトル・ロールのトム・ハンクスやダン中尉役のゲイリー・シニーズを始めとするはまり役の演技陣、どれをとっても超一流であり傑作であることは間違いない。 しかし今日の分断と不寛容の時代、しょうがない面もあるが不徹底さがあるのも事実だ。アラバマ州が舞台なのに黒人差別がほぼ描かれてない。このあたりは私が敬愛する町山智浩さんが徹底的に批判しているが割り引いて観るしかない。 当時共和党の宣伝として使われてもいるみたいだが、確かにキリスト教で言う「聖なる愚か者」であるフォレスト・ガンプを美化し、自由を追い求めてヒッピーに身を投じたジェニーを薬漬けにし否定的に描いている。 私の感性も当時と今とでは違っているが、それも映画を観る醍醐味のひとつ。映画館でじっくり向かい合い自分のものにしよう。 語り手:ドラゴン美多中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。 100% 観たい! (9)検討する (0) 語り手:ドラゴン美多中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。 2023年12月08日 / 『インファナル・アフェア 4K』3部作 香港ノアールの代表作がスクリーンで甦る 2023年12月08日 / 『インファナル・アフェア 4K』3部作 4Kで蘇った、香港製フィルムノワールの傑作 2023年12月08日 / 映画(窒息) セリフは一切なくモノクローム、これぞ作家の映画だ more 2023年04月12日 / 丸の内TOEI(東京都) 銀座にある東映のメイン劇場で映画の醍醐味を満喫。 2019年05月22日 / ガーデンズシネマ(鹿児島県) 映画の後にランチをしながら、おしゃべりを楽しむ 2021年09月22日 / 【思い出の映画館】浅草中映劇場/浅草名画座(東京都) 下町の名画座で、あんぱん片手に映画観賞した日々 more
黒人差別を描かなかったのは、意図的なのか?
不朽の名作と言われる『風と共に去りぬ』(1939)がそうであるように、その時代での限界というものがある。黒人に対する描き方は今では考えられないが、だからと言って価値が下がるとは思えない。
リベラルな傾向の強いハリウッドで『フォレスト・ガンプ 一期一会』は1995年のアカデミー賞作品賞に選ばれている。今から見ればアメリカの現代史の都合のいい一面だけを描いており黒人解放に触れられていないのは違和感ありありで保守主義の典型的な映画だと思うが、1995年の公開当時には巧みなストーリーテリングもあり私は素直に感動していた。そもそも作品賞に輝くというお墨付きなのだ。
一期一会の出会いを決して忘れず人を信じ抜く大切さを体現しているフォレスト・ガンプ。50年代から80年代のリアルな史実に彼が関わっていたという「ほら話」は、「そんなのありえネー」と笑いつつ夢物語としては楽しくみることができた。
当時の最先端を行くCGや流麗かつ躍動感のあるドン・バージェスの撮影、コミカルかつ重厚感のあるロバート・ゼメキスの演出、タイトル・ロールのトム・ハンクスやダン中尉役のゲイリー・シニーズを始めとするはまり役の演技陣、どれをとっても超一流であり傑作であることは間違いない。
しかし今日の分断と不寛容の時代、しょうがない面もあるが不徹底さがあるのも事実だ。アラバマ州が舞台なのに黒人差別がほぼ描かれてない。このあたりは私が敬愛する町山智浩さんが徹底的に批判しているが割り引いて観るしかない。
当時共和党の宣伝として使われてもいるみたいだが、確かにキリスト教で言う「聖なる愚か者」であるフォレスト・ガンプを美化し、自由を追い求めてヒッピーに身を投じたジェニーを薬漬けにし否定的に描いている。
私の感性も当時と今とでは違っているが、それも映画を観る醍醐味のひとつ。映画館でじっくり向かい合い自分のものにしよう。
語り手:ドラゴン美多
中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。
語り手:ドラゴン美多
中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。