岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

大自然と融合し華麗に身体表現したダンスアートフィルム

2022年04月01日

Trinity

【出演】生島翔、皆川まゆむ、森井淳、広山詞葉(特別出演)
【監督・コンセプト・脚本】堤幸彦

考えてもよし、感じてもよしという映画だ

コロナ禍における休業要請はエンタメ界にも深刻な影響を与えた。とにかく表現の場がない!

本作はそんな中コンテンポラリーダンサーの生島翔さんがダンスと映像の関係を改めて見直し、旧知の間柄の堤幸彦監督とタッグを組んで作った、大自然と融合し華麗かつアクロバティックな踊りで身体表現したダンスアートフィルムだ。

撮影は2021年7月、手つかずの大自然があたかも地球の原初のように広がる伊豆大島で行われた。東京都内なので県外移動ではないということだ(笑)。

映画は生命の誕生から人類の進化、文明による自然破壊、最後は共生への希望の日の出という感じで繋がっていく。断続的に挟まれる環境、社会、経済などの地球的危機を訴えた短いセリフはメッセージ性が非常に強く、インパクトのあるダンスと共に目に焼き付き耳に残っていく。

堤監督によれば「自然の中での人間」というテーマで全体を構成し、「人間は何かを壊してきたのではないか」というメッセージを込めて撮影したとのこと。

私は映画を頭で考え理屈で観てしまう癖があるが、一方で踊りやダンスを観るのが大好きで、夏に名古屋で開催される"どまつり"は毎年欠かさず観ている。カッコよく踊っているダンサーや躍り手を見ていると身体が高揚してくる。自分でもやってみたいと思うが不器用なので及び腰だ。

この映画を観ていつものように踊りの意味や短いセリフからのメッセージ性を読み解こうとしているが、踊りがカッコよくて自分も踊って見たくなり、風景が美しくて伊豆大島へ行ってみたくなってくるという感覚だけでもいいのではないかと思えてきた。

バウムクーヘンのような地層断面、三原山の裾野の荒涼たる裏砂漠、朝日が昇る砂浜、むき出しの鉄骨がそびえる廃工場。それらを背景に躍動する踊り手たち。

すべてが美しく全裸で駆け回る姿は『猿の惑星』のよう。

考えてもよし、感じてもよしという映画だ。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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