岐阜新聞 映画部

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コロナ禍、自ら仕事の場を作り出して完成させた映画

2022年03月31日

truth 〜姦しき弔いの果て〜

©2021 映画「truth 姦しき弔いの果て」パートナーズ

【出演】広山詞葉、福宮あやの、河野知美/佐藤二朗(忖度出演)
【監督・原案】堤幸彦

気負わない熱気がバンバン伝わってくる傑作コメディ

稀代のヒットメーカー堤幸彦監督の作品で私が最も好きなのは『20世紀少年』3部作である。努力すれば報われるとまだ信じられていた高度経済成長時代に少年だった私の郷愁にあまりにドンピシャな内容で、そこには本物の昭和が描かれていた。総製作費60億円、総興行収入110億円の大ヒット作である。

ケンヂたちが小学生の頃に遊びで書いた"よげんの書"。彼らが中年になったときの世界が舞台で、予言の通りに世界各国で謎のウィルスによる伝染病が流行り大量死が相次いでいるというのが発端だ。今のコロナの状況を恐ろしいほど言い当てている。

最初の緊急事態宣言のとき、軒並み映画や舞台の仕事が延期や中止になるなかで、女優の広山詞葉さんが仲間の福宮あやのさん、河野知美さんに呼びかけて自ら企画。「文化芸術活動の継続支援事業」の助成金を受けるため、エクセルを勉強し領収書を1枚1枚添付して申請書を作成、自ら仕事の場を作り出して完成させたのがこの映画だ。

彼女らが企画を相談したのは堤幸彦監督。普段は大バジェットで多数のスタッフや俳優を動かしている大監督だが、「だったら僕に撮らせてよ」と2つ返事で逆にオファーしたとのこと。

予算700万円撮影日数2日。堤監督は言ってみれば彼女らの無謀な提案を決してバカにしたりせず、「どうすれば予算を掛けずに面白くできるか」を考え抜いて2日で撮りきる計画を立てる。

ここまで書いている段階で涙が出てきた。CINEX映画塾で堤幸彦監督とお話出来る機会を得、監督のモノづくりへの誠実さ、経験に蓄積された技術の確かさ、あらゆる方向に目を光らせる貪欲さを直接聞くことができ、たった2日間の撮影でもプロフェッショナルの技を惜しみなく発揮する姿に感動した。

映画は優れた会話劇となっておりプロジェクトに参加した方々の気負わない熱気がバンバン伝わってくる。2度見たが2度とも大爆笑、傑作コメディだ。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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