岐阜新聞映画部映画館で見つけた作品ヴォイス・オブ・ラブ B! 歌姫誕生を描く音楽映画 2022年02月17日 ヴォイス・オブ・ラブ ©Rectangle Productions/Gaumont/TF1 Films Production/De l'huile/Pcf Aline Le Film Inc./Belga 【出演】ヴァレリー・ルメルシエ、シルヴァン・マルセル、ダニエル・フィショウ、ロック・ラフォーチュン、アントワーヌ・ヴェジナ ほか 【監督・脚本】ヴァレリー・ルメルシエ 忠実な再現でありながら伝記にできない苦心 1960年代、カナダ・ケベック州のとある街が舞台。音楽好きなデュー一家の14番目(!)の末っ子アリーヌは、幼い頃から人前で歌うのが大好きな女の子で、その歌唱力は地元では有名になっていた。 やがて、歌手になることを夢見るようになった娘のため、母親は有名音楽プロデューサーにデモテープを送る。 愛する娘のため、奮闘する母…所謂、"ステージ・ママ" はよく聞くはなし。敗戦の混乱期、リンゴ箱をステージがわりに街角で歌い、次第に歌姫へのぼり詰める少女もいた。時代も国も違えど母は強し。 そして、アリーヌは12歳にしてデビューを果たす。 セリーヌ・デュオンは、大ヒット映画『タイタニック』(ジェームズ・キャメロン監督/1997年)の主題歌「My Heart Will Go On」をあげるまでもなく、世界の歌姫として、今も現役で活躍している。その彼女の伝記が『ヴォイス・オブ・ラブ』と言いたいところなのだが本作は少し違う。 監督、脚本はフランス人女流バレリー・ルメルシエで、彼女はアリーヌの歌手デビューから50歳代の現在までを演じてもいる。 デビュー後すぐに、アリーヌは天才少女ともてはやされるようになるが、音楽プロデューサーのギィ=クロード(シルバン・マルセル)は、敢えて彼女の歌手活動を停止させ、英語の特訓(ケベック州はフランス語圏)やダンスの習得に専念させる。それは世界的な大歌手へ育てるための不可欠な過程と信じさせた。そして、2人の間には年の差を超越した愛が育まれていく。 歌手として煌びやかなステージに立つアリーヌ。ルメルシエ監督の堂々たる演技はその再現に貢献しているが、その歌声は、世界中から集まった歌手の中から選ばれたフランス人歌手ヴィクトリア・シオの吹替えで、セリーヌ・デュオンの歌声を圧巻の歌唱力で再現している。 スター誕生の裏側に存在したであろう心温まる愛の絆には、それなりの説得力を感じるが、かなり強引な部分もある。それはルメルシエ監督の個人的な熱意の現れなのだが、違和感は拭い去れないままなのは少し辛い。 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 100% 観たい! (6)検討する (0) 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 2023年09月26日 / 君は行く先を知らない 暢気なユーモアが緊張に変わるロードムービー 2023年09月26日 / 君は行く先を知らない シリアスな内容を、ユーモアと詩情で包んだ瑞々しい映画 2023年09月25日 / ふたりのマエストロ 指揮者親子のハートフルコメディ more 2019年10月16日 / シネマ・ジャック&ベティ(神奈川県) 戦後からハマの映画ファンを唸らせ続けた双子の映画館 2022年04月27日 / 天文館シネマパラダイス(鹿児島県) かつての映画街の熱気を再び…商店街が立ち上がった。 2021年02月24日 / シネマリオーネ古川(宮城県) この街に映画館を…という住民の声で復活した more
忠実な再現でありながら伝記にできない苦心
1960年代、カナダ・ケベック州のとある街が舞台。音楽好きなデュー一家の14番目(!)の末っ子アリーヌは、幼い頃から人前で歌うのが大好きな女の子で、その歌唱力は地元では有名になっていた。
やがて、歌手になることを夢見るようになった娘のため、母親は有名音楽プロデューサーにデモテープを送る。
愛する娘のため、奮闘する母…所謂、"ステージ・ママ" はよく聞くはなし。敗戦の混乱期、リンゴ箱をステージがわりに街角で歌い、次第に歌姫へのぼり詰める少女もいた。時代も国も違えど母は強し。
そして、アリーヌは12歳にしてデビューを果たす。
セリーヌ・デュオンは、大ヒット映画『タイタニック』(ジェームズ・キャメロン監督/1997年)の主題歌「My Heart Will Go On」をあげるまでもなく、世界の歌姫として、今も現役で活躍している。その彼女の伝記が『ヴォイス・オブ・ラブ』と言いたいところなのだが本作は少し違う。
監督、脚本はフランス人女流バレリー・ルメルシエで、彼女はアリーヌの歌手デビューから50歳代の現在までを演じてもいる。
デビュー後すぐに、アリーヌは天才少女ともてはやされるようになるが、音楽プロデューサーのギィ=クロード(シルバン・マルセル)は、敢えて彼女の歌手活動を停止させ、英語の特訓(ケベック州はフランス語圏)やダンスの習得に専念させる。それは世界的な大歌手へ育てるための不可欠な過程と信じさせた。そして、2人の間には年の差を超越した愛が育まれていく。
歌手として煌びやかなステージに立つアリーヌ。ルメルシエ監督の堂々たる演技はその再現に貢献しているが、その歌声は、世界中から集まった歌手の中から選ばれたフランス人歌手ヴィクトリア・シオの吹替えで、セリーヌ・デュオンの歌声を圧巻の歌唱力で再現している。
スター誕生の裏側に存在したであろう心温まる愛の絆には、それなりの説得力を感じるが、かなり強引な部分もある。それはルメルシエ監督の個人的な熱意の現れなのだが、違和感は拭い去れないままなのは少し辛い。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。