岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

オリジナル映画を大胆にアレンジした、力強いミュージカル

2022年01月13日

パリのアメリカ人

©Angela Sterling

【出演】ジェリー・マリガン役:ロバート・フェアチャイルド、リズ・ダッサン役:リャーン・コープ、アンリ・ボーレル役:ハイドゥン・オークリー、マイロ・ダヴェンポート役:ゾーイ・レイニー、アダム・ホックバーグ役:デイヴィッド・シードン=ヤング、マダム・ボーレル役:ジェーン・アッシャー

ダイナミックかつ華麗なダンスとボリュームある歌声

「AFIが選ぶミュージカル映画ベスト100」で第9位に選出されたのが『巴里のアメリカ人』(1951年)。同作は、ミュージカル映画では今までに10本しか取ってないアカデミー賞作品賞にも選ばれた傑作で、私もリバイバルで観ている。

そんな名作を果敢に舞台化し、2015年にトニー賞4部門(装置デザイン賞・照明デザイン賞・振付賞・編曲賞)を受賞するなど大成功を収めたのが「パリのアメリカ人」である。

松竹ブロードウェイシネマ第3弾の本作は、2018年のロンドン・ウェストサイド公演を特別に撮影したもので、出演者のダイナミックかつ華麗なダンスに魅せられ、歯切れがよくてボリュームのある歌声に深い感銘を受ける。息遣いや汗も臨場感たっぷりに写し取られ、一演目終わるごとに沸き起こる観客の歓声や拍手は、スクリーンの前の観客とも一体感をもたらす。

全体の構成は、オリジナル映画を大胆にアレンジし、ダンスシーンを多く取り入れて、考えるよりも見て楽しい仕様になっている。

配役は、ブロードウェイ公演版で主演し、共にトニー賞にノミネートされたロバート・フェアチャイルド(ジェリー・マリガン役)とリャーン・コープ(リズ・ダッサン役Iが引き続き登場。2人とも本物のバレエダンサーで、ジーン・ケリー級のアクロバティックで力強いダンスを舞うフェアチャイルドと、美しく華麗に舞うコープは、その歌唱力や演技を含めクオリティが非常に高い。

さらに目を見張るのは、トニー賞にも輝いた舞台の装置デザインだ。ボブ・クローリーのセットは、華やかに軽やかに配置され、踊るが如く転換する。あたかも演者の一人のようである。

そしてもちろんガーシュウィンの楽曲である。馴染みやすく親しみのもてる名曲の数々は、パリの舞台セットや無敵の恋愛と一体化しており、まさにアメリカの誇りである。

今回も、ぎふCINEX劇場(CINEX2)で観劇した。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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