岐阜新聞映画部映画館で見つけた作品雨とあなたの物語 B! 手紙を通じての純愛ラブストーリー。王道の韓流ドラマだ 2022年01月11日 雨とあなたの物語 © 2021 KIDARI ENT, INC., SONY PICTURES ENTERTAINMENT KOREA INC. (BRANCH), AZIT FILM CORP., AZIT PICTURES CORP. ALL RIGHTS RESERVED 【出演】カン・ハヌル、チョン・ウヒ/カン・ソラ 【監督】チョ・ジンモ SNSもスマホもない、2003年の韓国 韓国の市場調査会社DMCによると、韓国におけるSNS利用率は89%で世界第2位。そしてスマートフォン所有率は実に95%でダントツの世界一。情報通信に関して世界最先端をいっているのが韓国である。 映画においてはアカデミー賞をはじめ世界の映画祭を席巻している韓国であるが、一方で本作の様なアナクロニズム的すれ違い恋愛映画が大きな位置を占めているのだ。 『雨とあなたの物語』は、手紙を通じての純愛ラブストーリー。SNSもスマホもなく、かろうじて携帯電話が普及し始めた2003年の韓国。二浪中のヨンホ(カン・ハヌル)が、小学校の時の運動会で紅白帽とハンカチを貸してくれたソヨン(イ・ソル)に手紙を出したことからスタートする。 彼女は当時すぐに転校して消息不明だったのだが、ヨンホの強引な聞き出し作戦で、あっさりと現住所がわれてしまう。2003年頃の韓国には個人情報保護の観点は、ほぼ無かったものと思われる。 ヨンホは、ソヨンが住むプサンの住所宛てに手紙を書いて出す。今だったらGoogleMapとかで位置を確定しストリートビューで確認すると思うが、当時は手順が必要なのだ。 だが肝心のソヨンは病気療養中で口がきけず、代わりに母が経営する古書店に勤める妹のソヒ(チョン・ウヒ)が、筆談で姉に聞いた「そんな人知らねえ!」との答えで返事を書こうとするが、姉になりすまして返信してしまう。色よい返事など期待してなかったヨンホは有頂天となってしまいラブレターのやり取りが続く。 秀才だが人間的には嫌な奴であるヨンホの兄や、職人肌で一刻者の父。ソヨンとソヒの親で古書店を守る肝っ玉母さんや、偏屈で理屈屋の本の虫の青年など、ステレオタイプの脇役が活躍し、予想の範囲内での決着をみる。 ストーリーに意外性は少なく案外わかりやすい展開であるが、最後のオチは見事であった。 安心して観られる韓流ドラマである。 語り手:ドラゴン美多中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。 100% 観たい! (7)検討する (0) 語り手:ドラゴン美多中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。 2024年09月10日 / 幸せのイタリアーノ 嘘つきシニョーレと車椅子セニョリータの大人のラブストーリー 2024年09月06日 / 幸せのイタリアーノ 嘘からはじまるロマンチックコメディ 2024年09月06日 / 愛に乱暴 真面目に生きてきた女性が壊れる more 2019年05月08日 / ディノスシネマズ札幌劇場(北海道) 映画を送り続けて半世紀…北の都の老舗劇場が幕を降ろす 2023年06月21日 / PLANET + 1(大阪府) 16mmフィルムに収められた名作を現代に甦らせる。 2023年11月27日 / イオンスペースシネマ野田(千葉県) 遊園地が併設するショッピングセンターの映画館。 more
SNSもスマホもない、2003年の韓国
韓国の市場調査会社DMCによると、韓国におけるSNS利用率は89%で世界第2位。そしてスマートフォン所有率は実に95%でダントツの世界一。情報通信に関して世界最先端をいっているのが韓国である。
映画においてはアカデミー賞をはじめ世界の映画祭を席巻している韓国であるが、一方で本作の様なアナクロニズム的すれ違い恋愛映画が大きな位置を占めているのだ。
『雨とあなたの物語』は、手紙を通じての純愛ラブストーリー。SNSもスマホもなく、かろうじて携帯電話が普及し始めた2003年の韓国。二浪中のヨンホ(カン・ハヌル)が、小学校の時の運動会で紅白帽とハンカチを貸してくれたソヨン(イ・ソル)に手紙を出したことからスタートする。
彼女は当時すぐに転校して消息不明だったのだが、ヨンホの強引な聞き出し作戦で、あっさりと現住所がわれてしまう。2003年頃の韓国には個人情報保護の観点は、ほぼ無かったものと思われる。
ヨンホは、ソヨンが住むプサンの住所宛てに手紙を書いて出す。今だったらGoogleMapとかで位置を確定しストリートビューで確認すると思うが、当時は手順が必要なのだ。
だが肝心のソヨンは病気療養中で口がきけず、代わりに母が経営する古書店に勤める妹のソヒ(チョン・ウヒ)が、筆談で姉に聞いた「そんな人知らねえ!」との答えで返事を書こうとするが、姉になりすまして返信してしまう。色よい返事など期待してなかったヨンホは有頂天となってしまいラブレターのやり取りが続く。
秀才だが人間的には嫌な奴であるヨンホの兄や、職人肌で一刻者の父。ソヨンとソヒの親で古書店を守る肝っ玉母さんや、偏屈で理屈屋の本の虫の青年など、ステレオタイプの脇役が活躍し、予想の範囲内での決着をみる。
ストーリーに意外性は少なく案外わかりやすい展開であるが、最後のオチは見事であった。
安心して観られる韓流ドラマである。
語り手:ドラゴン美多
中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。
語り手:ドラゴン美多
中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。