岐阜新聞 映画部

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アラフィフ女性が求めた新たな青春

2022年01月05日

グロリア 永遠の青春

© 2018 GLORIA FILM DISTRIBUTION, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

【出演】ジュリアン・ムーア、ジョン・タトゥーロ
【監督】セバスティアン・レリオ

自分の思いに素直であるために譲れない一線がある

2018年に公開された『ナチュラルウーマン』はトランスジェンダーのマリーナが、自分らしさを守るための、偏見と差別との闘いを描いた映画で、チリの作品として初のアカデミー外国語映画賞に輝いた。

監督はセバスチャン・レリオで、その前作にあたるのが『グロリアの青春』(2013/日本公開2014年)である。

本作『グロリア 永遠の青春』は、その元版を観て感化されたジュリアン・ムーアが、自らリメイクを切望して実現した企画だった。

アメリカ・ロサンゼルスが舞台。"アラフィフ"のグロリア(ジュリアン・ムーア)は、離婚後の長い独身生活とその間の子育てを終え、精神的にもゆとりある自由な時間を過ごしていた。

そんな時、何となく淋しさを感じる夜は、ダンスクラブへ行き発散するのが日常になっていた。

ある夜、そのクラブでひとりの初老の男に声を掛けられる。

その男アーノルド(ジョン・タトゥーロ)は、同じく離婚を経験しており、紳士的に対応してくれる彼の話題は、グロリアを楽しい気分にさせてくれるものだった。ふたりは惹かれあい交際を始めることになる。

交際は順調に進み、理想的なパートナーだと感じてはいたが、デート中、アーノルドの携帯電話には、別れた元妻や娘たちから連絡が入り、それにこまめに対応する様子に不信感を抱くようになる。

自立した女性が新たな人生に踏み出すこと、自由で気ままに見える生き方でも、人とのつき合いからはまた別の軋轢や困難が生まれる。

フェミニズム映画で括ることすら今や時代遅れのような気がするが、グロリアの羽目のはずし方には、些か幼すぎる脆弱さが散らつくのが気になる。爽快であるはずの幕切の決着のつけ方が、唐突に見えるのはそのせいかも知れない。

元版のグロリアの年齢は58歳だったが、ジュリアン・ムーアはズッと若く。求めたものは青春か、その後か、の差なのだろうか?

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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