岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

史上最高額絵画の謎に肉薄するドキュメンタリー

2021年12月27日

ダ・ヴィンチは誰に微笑む

©2021 Zadig Productions © Zadig Productions - FTV

【監督】アントワーヌ・ヴィトキーヌ

桁外れのお金は他人事でも、議論の種には事欠かない

レオナルド・ダ・ヴィンチは、フィレンツェ共和国(現在のイタリア)出身のルネッサンス期を代表する芸術家である。"モナ・リザ" は、最も有名な絵画であり、ミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会にある壁画 ”最後の晩餐"の知名度も極めて高い。

また、ダ・ヴィンチのキャリアは、画家のみにとどまらず、博物学、物理学、地理学、幾何学、数学、力学、工学、建築、音楽、人体解剖学と、その功績は広範囲に及んでいる。

2017年、ダ・ヴィンチ最後の作品「サルバトール・ムンディ」が、オークションに出品され、日本円にして510億円で落札されたニュースは世界を駆けめぐった。

『ダ・ヴィンチは誰に微笑む』は、この作品にまつわる騒動を検証し、いくつかの謎に迫りながら、美術界の裏側に肉薄したドキュメンタリーである。

映画は、"画商" が名もなきオークションのカタログで、「サルバドール・ムンディ」を発見したことに始まる。絵画はとある地方の名家の遺品整理品のひとつで、最初の鑑定は有名なオークションディーラーにより、門前払いの扱いを受けていた。

100年の間、行方不明だった名画(?)、画商はこの直感により、絵画を落札する。その価格13万円。次に、画商は状態が悪かった絵画の修復を依頼する。

岐阜新聞映画部のアートサロンのトークショーのゲストでお迎えしている岐阜県美術館学芸員・松岡美紗さんは、絵画の修復を担当している。専門家の視点によれば、絵画の修復の基本は原画を傷つけないことだと言うーその時の修復は過剰だったのではないか? この疑問は映画の核となる。

絵画には様々な人間が群がり、それは美術館へ、政治家まで巻きこみながら、国家という単位にまで拡大していく。そして見えてくるのは、美術界の裏側にある闇である。

きっとあなたも鑑定士!議論は盛り上がる。

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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