岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

タイムリープSF青春活劇の快作

2021年08月23日

東京リベンジャーズ

©和久井健/講談社 ©2020 映画「東京リベンジャーズ」製作委員会

【出演】北村匠海、山田裕貴、杉野遥亮、今田美桜、鈴木伸之、眞栄田郷敦、清水尋也、磯村勇斗/間宮祥太朗/吉沢亮
【監督】英勉

贅沢なキャスティングは続編を予感させる

原作は2017年から「週刊少年マガジン」(講談社)で連載を開始が始まった、和久井健による漫画「東京卍リベンジャーズ」で、現在も連載中である。テレビでのアニメーション化、舞台化もされるなど、人気シリーズとなっている。

無謀なジャンル分けをすると、"不良もの" "アクション" "サスペンス" "SF" ということになり、さまざまな要素を取り込んだ作品だと想像できる。

私事に変換すると、青春映画の1ジャンルである"不良もの" は苦手である。大声で喚き立てる喧嘩は耳障りだし、やがて始まる殴り合いには思わず目を背けてしまう。

同じく、"アクション"でも、度を超えた暴力による残虐なシーンには閉口し、物語の途中で集中力が中折れすることもある。

"サスペンス" というのは、案外、怖いもの見たさの矛盾する好奇心が優先する場合が多いので、苦手で切り捨てるようなことはない。

"SF" もジャンルのひと枠としては多様で、別の厄介な問題があるが、それはまた別の話。

花垣武道=タケミチ(北村匠海)はフリーター。今日もバイト先の上司からの叱責に「すいません…」と平謝りするしかない。思えばこんなうだつの上がらない人生が続いていたと…出るのはため息ばかり。

そんなある日、ヤンキーだった高校時代に付き合っていた人生唯一の彼女、橘ヒナタとその弟のナオトが関東のハングレ凶暴集団"東京卍会"に殺されたことを知る。

その翌日、タケミチは地下鉄のホームで何者かに背中を押され転落…迫り来る列車…一転、タケミチは10年前の不良高校生時代にタイムリープしていた。

映画『東京リベンジャーズ』は、SFにおける所謂、タイムリープもので、タイムマシンなどのハードは使わずに、時間を行来する話である。かつての恋人の死と、自らの人生の転落のきっかけとなったのは、どちらも東京卍会だった。人生をリープし、過去を書き換える物語は、ジタバタしていても、何故か清々しい気概に上手くのせられる。旬の役者の怪演競演も楽しく、事前に危惧した、喧しい暴力性も忘れさせてくれる快作である。

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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