岐阜新聞 映画部

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名優が集う業界裏話コメディ映画

2021年08月04日

カムバック・トゥ・ハリウッド!!

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【出演】ロバート・デ・ニーロ、モーガン・フリーマン、トミー・リー・ジョーンズ、ザック・ブラフ、エミール・ハーシュ、ケイト・カッツマン
【監督・脚本】ジョージ・ギャロ

喜劇には毒が、映画には愛が必要!

1974年、ハリウッド。劇場前では教会関係者と思しき集団が、プラカードを手にシュプレヒコールを上げている。

"ミラクル"映画社の経営者にして敏腕プロデューサー(?)のマックス(ロバート・デニーロ)を悩ませるのは新作映画『尼さんは殺し屋』が公開初日にして、大コケが決定的なこと。観客の入場すら妨げるカトリック教会の反感を買ってしまったことだったが、最も深刻なのは、映画マニアで出資者のレジー(モーガン・フリーマン)が、その事態を嗅ぎつけて金を返せと脅しをかけてくることだった。

マックスが仕方なく頼るのは、弟子でお調子者の成功者ジェームズだったが、そこで切り出されたのは、マックスが所有権を持つ幻の名作脚本『パラダイス』の売却話だった。

『パラダイス』がどんな映画なのかはわからないが、「オスカー間違いなしの傑作!」と、誰もが認めるものらいし…ああ!このいかがわしさ。

『カムバック・トゥ・ハリウッド ‼︎ 』は、ドタバタを予測させるオープニングから、何となく、いかがわしいきな臭さが漂うコメディ映画である。

弟子のジェームズが主演俳優の撮影中の事故死によって、莫大な保険金を得たことを知ったマックスが画策するのは、"2匹目のドジョウ"狙い…どんどん、いかがわしくなる!

新作の主演に抜擢されるのは老人ホームに入居していた自殺願望に囚われた、かつての名優デューク(トミー・リー・ジョーンズ)だった。

3人のオスカー受賞者が顔を揃えたコメディは、ソフトからは程遠く、暴力と血の匂いを感じさせつつも、ギリギリのラインで品格を維持している。名優が楽しんで演じているという効能かもしれないが、細かことに拘らずに楽しむのが得策なのだと納得させられる。

もうひとつの楽しみ方は、業界話、喩え話として実名で登場する映画の数々。ここで「違うだろ!」と突っ込めたら、立派なマニアです。

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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