岐阜新聞 映画部

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認知症に陥った高齢者の視点で描いた傑作

2021年07月19日

ファーザー

© NEW ZEALAND TRUST CORPORATION AS TRUSTEE FOR ELAROF CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION TRADEMARK FATHER LIMITED F COMME FILM CINÉ-@ ORANGE STUDIO 2020

【出演】アンソニー・ホプキンス、オリヴィア・コールマン、マーク・ゲイティス、イモージェン・プーツ、ルーファス・シーウェル、オリヴィア・ウィリアムズ
【監督・脚本・原作】フロリアン・ゼレール

名優アンソニー・ホプキンスの最高の名演

高齢者の認知症を描いた映画はいくつも作られているが、それらは殆ど介護する家族の視点で描かれていた。しかし、「ファーザー」は認知症に陥った高齢者の視点を大胆に取り入れ、その混乱ぶりをリアルに描くことで、良質のスリラーに近い感覚の傑作たりえている。

まず、主人公(アンソニー・ホプキンス)のまわりの登場人物を、場面ごとに違う複数の俳優に演じさせるというアイデアが素晴らしい。シーンが変わるたびに、主人公が自分の前にいる人物が誰なのか、そしてここは自宅なのかと不安に苛まれる姿が手に取るように理解できる。

アカデミー賞主演男優賞を受賞したアンソニー・ホプキンスは、歴代の受賞者の中でも最高レベルの好演。主人公の長女役のオリヴィア・コールマンの的確な演技も見事。

フランスの演劇界の最高賞であるモリエール賞の作品賞受賞の舞台劇を、原作者フロリアン・ゼレールが自ら映画化した初監督作。ゼレールがクリストファー・ハンプトンと共作した脚本は、アカデミー賞の脚色賞を受賞している。

語り手:井上 章

映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。

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語り手:井上 章

映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。

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