岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

枯れかけたバラ園の復活の物語

2021年07月05日

ローズメイカー 奇跡のバラ

THE ROSE MAKER © 2020 ESTRELLA PRODUCTIONS – FRANCE 3 CINÉMA – AUVERGNE-RHÔNE-ALPES CINÉMA

【出演】カトリーヌ・フロ、メラン・オメルタ、ファツァー・ブヤメッド、オリヴィア・コート、マリー・プショー、ヴァンサン・ドゥディエンヌ
【監督】ピエール・ピノー

バラを育むことと人を育てることはよく似ている

フランス郊外。亡き父親から受け継いだ小さなバラ園を経営するエヴ(カロリーヌ・フロ)は苦悩していた。高く積まれた請求書の山と取引きの打ち切りの電話。とは言え、差し迫った仕事はバラのコンクールの準備をすること。数々の賞に輝いた栄光の時は過去になり、今では巨大企業のラマルゼル社に押されっぱなし。コンクールでも見事なまでに敗北する。

運転資金もままならず、有能な人手は望めない。そこで助手のヴェラ(オリビア・コート)は職業訓練所から格安の人材の斡旋を受ける。

やってきたのは、前科者のフレッドと定職に就けないサミール、ひどく神経質なナデージュだったが、3人は全くの素人で、一夜にして200株のバラをダメにしてしまうヘマをやらかす。

とは言え、せっかく得た働き手を簡単に手放すことはできず、手取り足取りの指導をするうち、あるアイデアが閃く。それはフレッドの特技を生かした、起死回生の…だが、ちょっと危ない作戦だった。

エヴを演じるカロリーヌ・フロは、ヌーヴェルヴァーグの巨匠アラン・レネ監督の『アメリカの伯父さん』(1980/日本公開81年)でデビュー。96年には『家族の気分』(セドリック・クラピッシュ監督/日本公開97年)でセザール賞の助演女優賞を受賞。2015年には『偉大なるマルグリット』(グザビエ・ジャノリ/日本公開16年)で同賞の主演女優賞に輝いた名優で、父親から受け継いだバラ園の存続という重荷に苦悩しながらも、バラの品種改良に挑む強い信念のある女性像を、ユーモアを交えた軽やかさと重厚さの合わせ技で好演している。

映画はよくある"奮闘記もの"だが、受け入れた訳ありの従業員たちを、温かい母性で見守り成長させていくサイドストーリーにも味がある。

人の手によって生まれる新種のバラ。それはバラ園から育つ従業員=子どもたちの姿と重なる。

美しく咲き誇るバラは美しく、目の保養にもなる。そしてエヴの再出発には元気を貰えるだろう。

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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