岐阜新聞 映画部

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一線を越えるのか、踏みとどまるのか、画期的なサイコサスペンス

2021年07月01日

キャラクター

©2021映画「キャラクター」製作委員会

【出演】菅田将暉、Fukase(SEKAI NO OWARI)、高畑充希、中村獅童、小栗旬
【監督】永井聡

キャラを生み出せなかった漫画家VSキャラになれなかった殺人者

本作は、全国一斉公開するような大バジェット映画では大変珍しい、完全オリジナル作品だ。漫画やライトノベルなどの原作に頼ることなく、映画の力のみで勝負するという日本娯楽映画界の実力を見せつける作品である。

私がライブを常に追いかけているセカオワのFukaseくんが猟奇的殺人者をやるということで大期待していたが、予想を遥かに上回るサイコサスペンスの傑作であった。

画力はあるがキャラが立たず一歩突き抜けられない漫画家・山城(菅田将暉)が、偶然遭遇した殺人事件の現場で一瞬見た犯人(Fukase)の顔。美少年だが目が不気味でただならぬ雰囲気の彼をスケッチし、実際の殺人者の彼をモデルに漫画を描いたところ大ヒット。一躍売れっ子作家となる。

そんな山城の前に、再び美少年が現れる。「両角っていいます。先生が描いたもの、リアルに再現しておきましたから。」

この2人に暴走族上がりで漫画に造詣が深い刑事・清田(小栗旬)が捜査に加わって,人間の闇の部分にまで踏み込んだ心理戦と、ダークでシュールなストーリーで映画は展開していく。

「キャラを生み出せなかった」漫画家と、怪しいコミュニティで生まれたため戸籍がないという「キャラになれなかった」両角。

今までいい奴ぶってた山城だったが、自分の中のダークな部分が頭をもたげてきて、罪悪感はあるものの、両角の犯行通りの漫画を描き進めてしまう。

生まれて初めてキャラを与えられた両角は、山城の漫画を盛り上げるかのように犯行を繰り返す。両角は言う「先生だって人殺しを楽しんでいる」。

一線を超えるのか、踏みとどまるのか、この表裏一体の感覚をすこぶる巧みに描いていく。

大好きなFukaseくんは実力派俳優と対峙し、ファンタジーの裏に隠れたダークな部分を、目に合わない視線や震える手の動きと合わせて、堂々と演じている。

画期的なサイコサスペンスである。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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