岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

洗練された話術で描く小粋な犯罪群像劇

2021年05月17日

ジェントルメン

© 2020 Coach Films UK Ltd. All Rights Reserved.

【出演】マシュー・マコノヒー、チャーリー・ハナム、ヘンリー・ゴールディング、ミシェル・ドッカリー、ジェレミー・ストロング、エディ・マーサン/コリン・ファレル/ヒュー・グラント
【監督・脚本・製作】ガイ・リッチー

ユーモラスで憎めない魅力的な悪党たち

ガイ・リッチー監督には、「シャーロック・ホームズ」のような派手な見せ場のある大作映画より、小粋な犯罪群像劇が似合う。いろいろな映画を監督した彼が、本来の自身の資質を悟って撮ったかのような快作が「ジェントルメン」である。

総額4億ポンド(約500億円)もの大麻ビジネスを巡って繰り広げられる、騙し合い出し抜き合う悪党どもの駆け引きを、凝ったストーリー展開で描いたクライム・サスペンスで、「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」などの初期作品のテイストが、より洗練された話術で蘇ったかのようだ。

ガイ・リッチーは、「明日に向って撃て!」に影響を受けて映画監督になったらしい。「ジェントルメン」を観ると、そのことがとても腑に落ちる。悪党を描いていても、皆ユーモラスで憎めない魅力的なキャラクターばかり。残虐なシーンは台詞の中だけで、実際には写さないスマートさ。

マシュー・マコノヒーも、ヒュー・グラントも、コリン・ファレルも、皆一癖も二癖もある悪党を嬉々として演じている。作り手の遊び心が観客の満足度に結び付いた、理想的なエンタテインメント作品である。

語り手:井上 章

映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。

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語り手:井上 章

映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。

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