岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

秘密という真実が導く母性の物語

2021年04月15日

秘密への招待状

© ATW DISTRO, LLC 2019

【出演】ジュリアン・ムーア、ミシェル・ウィリアムズ、ビリー・クラダップ、アビー・クイン
【監督】バート・フレインドリッチ

ふたりの女優の攻守いり乱れる競演

 イザベル(ミシェル・ウィリアムズ)は、インドで孤児の救済活動をする施設を運営している。忙しさに追われる日々、そこに降りかかる問題は、圧倒的な運営資金不足だった。

 ある日、多額の寄付の話が届く。ただし、支援を申し出た、会社経営者が提示して来た条件は、イザベルがニューヨークに直接出向き、面会することだった。

 現場を離れたくないイザベルは、その条件に難色を示すが、活動継続のため、渋々、ニューヨーク行きを承諾する。

 ニューヨークに到着したイザベルに用意されていたのは、高級ホテルの一室と至れり尽くせりの接待で、それには戸惑いを感じるのだった。

 支援先のメディア会社には、敏腕を振るう女性経営者テレサ(ジュリアン・ムーア)がいた。彼女はてきぱきと、いとも簡単に多額の寄付を決定する。一刻も早く帰りたいイザベルだったが、テレサは娘の結婚式への招待を半ば強引に用意していた。

 そして、華やかなパーティーがはじまる。

 『秘密への招待状』は、デンマークを代表する女流監督スザンネ・ビアの『アフター・ウェディング』(2006/日本公開07年)のリメイクで、オリジナル版との大きな違いは、主人公の2人が男性から女性に変更されている。

 この作品に惚れこんでリメイクを企画したのは、ジュリアン・ムーアであり、自らが、テレサを演じる、演じたいという女優魂から生まれた企画と推察できる。監督のバート・フレインドリッチは彼女の夫でもある。

 物語はテレサの夫オスカー(ビリー・クラダップ)、そしてウェディング・パーティーの主役、ふたりの娘グレイス(アビー・クイン)を絡めたミステリアスな展開になる。

 過去に対するそれぞれの思い。そして、今を生きる者の未来への願い。愛憎を交えた感情のぶつかり合いの果ての希望と結末は…。

 ジュリアン・ムーアとミシェル・ウィリアムズの攻守いり乱れる競演が素晴らしい。

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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