岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

過去と今を繋ぐための素敵なラブストーリー

2021年03月10日

43年後のアイ・ラヴ・ユー

© 2019 CREATE ENTERTAINMENT, LAZONA, KAMEL FILMS, TORNADO FILMS AIE, FCOMME FILM . All rights reserved.

【出演】ブルース・ダーン、カロリーヌ・シロル、セレナ・ケネディ、シエンナ・ギロリー、ブライアン・コックス、ベロニカ・フォルケ
【監督・脚本】マーティン・ロセテ

忘れてしまった恋人に想いを伝える

 アメリカ・ロサンゼルス郊外。妻に先立たれた70歳のクロード(ブルース・ダーン)は、お気軽なひとり暮らしを満喫していた。

 かつては辛口の演劇評論家として活躍した時期もあったが、今や、その頑固さが仇となり、時代遅れと敬遠されている。プライドは妥協を許すはずもなく、親友のシェーン(ブライアン・コックス)とのお気軽な日常が、少々情けないが老後の支えとなっている。

 近年、高齢化はまんべんなく世界に広がっている。第2の人生、老後を見つめた映画も数多く登場している。

 クロードを演じるブルース・ダーンは、名門演劇学校アクターズ・スタジオで演技を学んだ後、1958年にブロードウェイで俳優のキャリアをスタートさせた。スクリーンデビューはエリア・カザン監督作品『荒れ狂う河』(60年/日本未公開)。その後も、『11人のカウボーイ』(72年マーク・ライデル監督)、『華麗なるギャツビー』(74年ジャック・クレイトン監督)、『帰郷』(78年ハル・アシュビー監督)などで、悪役、脇役で印象的な名演を披露している。76年に公開された『ファミリー・プロット』では、事件を追う主人公ジョージを演じたが、これはヒッチコックの最後の作品である。

 ある日、クロードは昔の恋人で人気舞台女優のリリィ(カロリーヌ・シロン)が、アルツハイマー病を患い、施設に入ったことを知る。

 若きふたりは、ニューヨークやパリでデートを重ね、手紙で互いの想いを綴り、幾つもの想い出を築いたが、その恋は実ることはなかった。

 クロードはわだかまりの払拭と後悔を残さないという決意のもと、アルツハイマーの"フリ"をして施設に入り、リリィにもう一度寄り添う行動にでる。

 暴走気味でも遠回りでも、年齢なんて関係ない素敵なラブストーリーではあるが、過去のリリィの決断には、個人的には納得がいかないので、クロードとは逆にわだかまりが残り、すっきりしないのが難点。

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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