岐阜新聞映画部映画館で見つけた作品天空の結婚式 B! ゲイカップルの結婚騒動記 2021年02月26日 天空の結婚式 © Copyright 2017 Colorado Film Production C.F.P. Srl 【出演】ディエゴ・アバタントゥオーノ、モニカ・グェリトーレ、サルヴァトーレ・エスポジト、クリスティアーノ・カッカモ 【監督】アレッサンドロ・ジェノヴェージ 同性婚は国や宗教ではなく個で尊重されるべき 『天空の結婚式』は、ニューヨークのオフ・ブロードウェイで上演された舞台劇「My Big Gay Italian Wedding」の映画化である。 舞台となる場所や人物設定は異なっているが、原題にあるように"イタリア人"が主人公であり、イタリアであることが強調される。 アントニオ(クリスティアーノ・カッカモ)の独白〜運命的な出会いから、燃えあがる恋の過程を切々と語る。人生を一緒に歩める人と確信し、プロポーズを決意する。そっと婚約指輪を差し出す。その贈り主はポッチャリ髭面のパオロ(サルバトーレ・エスポジト)だった。 世界の同性婚は、2001年にオランダで法制化されたのを皮切りに、ベルギー、スペインなどが続き、ヨーロッパでは比較的スピーディーに展開された。しかし、イタリアはかなり遅れ、2016年に下院議会で可決されたのは、同性カップルの結婚に"準ずる権利"を認めた法律であった。 ベルリンに暮らすアントニオとパオロは結婚を決意するが、2人は共に親に対する問題を抱えていた。パオロはゲイであることを母親にカミングアウトしていたが、母親はそれを受け入れることができず、以来、疎遠が続いていた。 アントニオはイタリアで村長を務める父と母にカミングアウトして、同時に結婚の意思を伝えるため、パオロを連れての里帰りという一石二鳥を画策するのだった。 お話はここからちょっとややこしくなり、パオロの住むアパートに間借りするためにやって来る(女装趣味の)中年男や、アントニオと訳ありの幼なじみの女の子(原作では元カレ)が絡んでくる。 アントニオの故郷はイタリア・ラツィオ州にある分離集落"チヴィタ・ディ・バニョレージョ"。断崖絶壁の丘の頂上に要塞のように見える村がある。それはまさしく天空の村で、圧倒的な絶景のもと、特別な舞台での特別な結婚式が執り行われる…が、ことはそんなに簡単にはいかない。お話が空回り気味なのと、インド映画まがいの歌と踊りの締めは、ちょっといただけない。 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 100% 観たい! (4)検討する (0) 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 2024年09月26日 / どら平太 日本映画黄金時代を彷彿とさせる盛りだくさんの時代劇 2024年09月26日 / 潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断 助けを求める人はもはや敵ではなく、ただの人間だ 2024年09月26日 / 潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断 海の男たちが下す決断を描くヒューマンドラマ more 2021年04月14日 / 宮崎キネマ館(宮崎県) 南国の街で良質な映画を送り続けるミニシアター 2020年09月16日 / 深谷シネマ(埼玉県) 元禄7年に創業された酒蔵が映画館として甦る 2021年01月27日 / 上田映劇(長野県) 数多く映画のロケが行われた街に残る映画館 more
同性婚は国や宗教ではなく個で尊重されるべき
『天空の結婚式』は、ニューヨークのオフ・ブロードウェイで上演された舞台劇「My Big Gay Italian Wedding」の映画化である。
舞台となる場所や人物設定は異なっているが、原題にあるように"イタリア人"が主人公であり、イタリアであることが強調される。
アントニオ(クリスティアーノ・カッカモ)の独白〜運命的な出会いから、燃えあがる恋の過程を切々と語る。人生を一緒に歩める人と確信し、プロポーズを決意する。そっと婚約指輪を差し出す。その贈り主はポッチャリ髭面のパオロ(サルバトーレ・エスポジト)だった。
世界の同性婚は、2001年にオランダで法制化されたのを皮切りに、ベルギー、スペインなどが続き、ヨーロッパでは比較的スピーディーに展開された。しかし、イタリアはかなり遅れ、2016年に下院議会で可決されたのは、同性カップルの結婚に"準ずる権利"を認めた法律であった。
ベルリンに暮らすアントニオとパオロは結婚を決意するが、2人は共に親に対する問題を抱えていた。パオロはゲイであることを母親にカミングアウトしていたが、母親はそれを受け入れることができず、以来、疎遠が続いていた。
アントニオはイタリアで村長を務める父と母にカミングアウトして、同時に結婚の意思を伝えるため、パオロを連れての里帰りという一石二鳥を画策するのだった。
お話はここからちょっとややこしくなり、パオロの住むアパートに間借りするためにやって来る(女装趣味の)中年男や、アントニオと訳ありの幼なじみの女の子(原作では元カレ)が絡んでくる。
アントニオの故郷はイタリア・ラツィオ州にある分離集落"チヴィタ・ディ・バニョレージョ"。断崖絶壁の丘の頂上に要塞のように見える村がある。それはまさしく天空の村で、圧倒的な絶景のもと、特別な舞台での特別な結婚式が執り行われる…が、ことはそんなに簡単にはいかない。お話が空回り気味なのと、インド映画まがいの歌と踊りの締めは、ちょっといただけない。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。