岐阜新聞映画部映画館で見つけた作品天空の結婚式 B! 恋愛に異性も同性も関係ない!歌って踊って大ハッピーエンド 2021年02月24日 天空の結婚式 © Copyright 2017 Colorado Film Production C.F.P. Srl 【出演】ディエゴ・アバタントゥオーノ、モニカ・グェリトーレ、サルヴァトーレ・エスポジト、クリスティアーノ・カッカモ 【監督】アレッサンドロ・ジェノヴェージ 陽気なイタリア人は、こっちの方が似合っている 2020年10月、ローマ国際映画祭で上映された、ローマ教皇に迫ったドキュメンタリー映画『フランシスコ』の中で、カトリックではタブーとされてきた同性愛を、教皇が「同性愛者も家族になる権利を持っている」と、事実上容認したとのニュースが流れた。 それに先立つ2016年5月、西洋主要国の中では唯一同性カップルを公的に認めていなかったイタリアでも、シビル・ユニオン(共同生活者)法が可決され、社会保障や相続などの面で、結婚に準じた権利が認められることとなった。 オフ・ブロードウェイのヒット演劇を映画化した本作は、異性愛と同性愛の違いを「子孫を残す」こと以外に何ら変わらないのだと笑い飛ばした、シチュエーション・コメディである。 ベルリンに住むイタリア人、役者仲間の美青年アントニオ(クリスティアーノ・カッカモ)と、ヒゲ熊野郎パオロ(サルヴァトーレ・エスポジト)のカップル。「ベルリンはゲイにとって天国」というセリフがある通り、2001年から2014年までベルリン市長を務めたヴォーヴェライト氏はゲイを公言していた。 そんな二人が結婚をするため、アントニオの故郷・天空の村チヴィタ・ディ・パニョレージョに、パオロの家主のベネデッタと、女装癖のある新しい同居人ドナートを交えた4人で帰省する。このあたり関係性が説明不足で「ハア?」となる瞬間もあるが、気にせず進んだ方がいい。 話は、アントニオの父でもある村長が、難民は受け入れるのに自分の息子がゲイであることを認められない偽善ぶり、そんな夫に愛想をつかし息子を受け入れる母親、とかで笑わせる。 最後は踊って歌って大ハッピーエンド。底抜けに明るい結婚式は、嫌なことは何もかも忘れてしまって、イエーイなのだ。 イタリアの巨匠・ヴィスコンティやパゾリーニが、真面目に描いてきた題材。深遠な映画もいいが、陽気なイタリア人はこっちの方が似合っているかも。 語り手:ドラゴン美多中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。 100% 観たい! (9)検討する (0) 語り手:ドラゴン美多中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。 2024年09月26日 / どら平太 日本映画黄金時代を彷彿とさせる盛りだくさんの時代劇 2024年09月26日 / 潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断 助けを求める人はもはや敵ではなく、ただの人間だ 2024年09月26日 / 潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断 海の男たちが下す決断を描くヒューマンドラマ more 2020年12月23日 / 早稲田松竹映画劇場(東京都) 学生街に今も残る昔ながらの二本立て名画座 2019年01月30日 / 御成座(秋田県) 街の人たちの勘違いから復活した秋田の映画館 2018年04月11日 / 日田シネマテーク・リベルテ(大分県) 山間にある水郷の街で、映画に向き合う至福の時間 more
陽気なイタリア人は、こっちの方が似合っている
2020年10月、ローマ国際映画祭で上映された、ローマ教皇に迫ったドキュメンタリー映画『フランシスコ』の中で、カトリックではタブーとされてきた同性愛を、教皇が「同性愛者も家族になる権利を持っている」と、事実上容認したとのニュースが流れた。
それに先立つ2016年5月、西洋主要国の中では唯一同性カップルを公的に認めていなかったイタリアでも、シビル・ユニオン(共同生活者)法が可決され、社会保障や相続などの面で、結婚に準じた権利が認められることとなった。
オフ・ブロードウェイのヒット演劇を映画化した本作は、異性愛と同性愛の違いを「子孫を残す」こと以外に何ら変わらないのだと笑い飛ばした、シチュエーション・コメディである。
ベルリンに住むイタリア人、役者仲間の美青年アントニオ(クリスティアーノ・カッカモ)と、ヒゲ熊野郎パオロ(サルヴァトーレ・エスポジト)のカップル。「ベルリンはゲイにとって天国」というセリフがある通り、2001年から2014年までベルリン市長を務めたヴォーヴェライト氏はゲイを公言していた。
そんな二人が結婚をするため、アントニオの故郷・天空の村チヴィタ・ディ・パニョレージョに、パオロの家主のベネデッタと、女装癖のある新しい同居人ドナートを交えた4人で帰省する。このあたり関係性が説明不足で「ハア?」となる瞬間もあるが、気にせず進んだ方がいい。
話は、アントニオの父でもある村長が、難民は受け入れるのに自分の息子がゲイであることを認められない偽善ぶり、そんな夫に愛想をつかし息子を受け入れる母親、とかで笑わせる。
最後は踊って歌って大ハッピーエンド。底抜けに明るい結婚式は、嫌なことは何もかも忘れてしまって、イエーイなのだ。
イタリアの巨匠・ヴィスコンティやパゾリーニが、真面目に描いてきた題材。深遠な映画もいいが、陽気なイタリア人はこっちの方が似合っているかも。
語り手:ドラゴン美多
中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。
語り手:ドラゴン美多
中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。