断捨離とかもったいないを復習できるエンタメ映画
2021年01月21日
100日間のシンプルライフ
© 2018 Pantaleon Films GmbH / Erfttal Film & Fernsehproduktion GmbH & Co. KG / WS Filmproduktion / Warner Bros. Entertainment GmbH
【出演】フロリアン・ダーヴィト・フィッツ、マティアス・シュヴァイクホファー、ミリアム・シュタイン
【監督・脚本】フロリアン・ダーヴィト・フィッツ
素っ裸から始まる賭けの行方
2014年に公開されたフィンランド映画『365日のシンプルライフ』は、ヘルシンキ在住の26歳のペトリが、失恋をきっかけにモノであふれた自らの部屋にうんざりして、生活のリセットを決意することから始まる。ペトリはこの映画を監督したペトリ・ルーッカイネンで、言わば、自らの生活を記録したプライベートフィルムである。一応、ドキュメンタリーだが、実験という目的を含んでいるためか、幾分、随所に客観性を欠くと思われるような、作為が感じられる。
『100日間のシンプルライフ』は、このドキュメンタリーのアイデアを劇映画に仕上げたドイツ映画である。
舞台はベルリン。パウル(フロリアン・ダーヴィト・フィッツ)とトニー(マティアス・シュヴァイクホファー)はアプリの開発事業を共同で経営するビジネスパートナー。仕事は順風満帆で何ひとつ不自由はないが、パウルはスマホ依存症、トニーは偏執的なコンプレックスに囚われていた。
ある日、酔って大喧嘩したふたりは、勢いで大金を賭けた勝負をすることになる。
日本では近年、"断捨離"が流行っている。これはインドのヨーガの思想に表れるもなので、流行り廃りで語るのはそぐわないのだが、簡単に言えば、「不要なものは減らして、生活に調和をもたらす」とするもの。年長者は自らの死後を見据えて身軽な老後を望む。これは若い世代にも波及しているが、そこにはもうひとつ、よく耳にする"もったいない"という思想が絡んでいるのかもしれない。
パウルとトニーが決めたのは4つのルール。①持ち物は全て倉庫に預ける/②1日に1つだけ倉庫から物を取り出せる/③会社の食料は食べてもよい/④買い物は禁止
以上のルールに従った100日間の賭けが始まる。意地の張り合いは、素っ裸になって、不自由さを体感することで、モノやデジタルに依存していた生活に気づかされることになる。
身に覚えのあることなので、他人事で片づけるのははばかれるが、その行き先は予測の範疇におさまるのが少し物足りない。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。