岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

申し合いやぶつかり稽古、見どころいっぱいの相撲ドキュメンタリー

2020年12月23日

相撲道~サムライを継ぐ者たち~

© 2020「相撲道~サムライを継ぐ者たち~」製作委員会

【監督】坂田栄治

肉弾戦の衝撃音や荒々しい息遣いが凄まじい

 1960年代の流行語に「巨人・大鵬・卵焼き」というのがある。子どもに人気のあるものの代名詞だが、その頃プロ野球と大相撲は時代の象徴だった。

 私が大相撲を意識的に見始めたのは小4の頃。地元・愛知県蒲郡市出身片男波部屋の大関玉乃島が、1968年夏場所で初優勝したのがきっかけだ。1970年初場所後に横綱へ昇進し玉の海と改名。1971年名古屋場所で全勝優勝した時は、我が形原中に横綱の中学時代の恩師が赴任中で、先生がテレビの「スター千一夜」に玉の海と一緒に呼ばれた時は、やんやの喝采だった。その3か月後、盲腸をこじらせて27歳で急死した時の衝撃は今でも忘れられない。

 玉の海の死後は愛弟子の貴ノ花(先代)に夢中になり、その後ずっと相撲ファンを続けている。名古屋場所にはチョクチョク生観戦に訪れ、男の熱い闘いを間近で見てきた。

 『相撲道』を観ていると、二子山部屋や九重部屋へ朝稽古を見に行ったときの光景が目に浮かんできた。申し合い(勝ち抜き稽古)、三番稽古(2人が連続して行う)、ぶつかり稽古(攻め側が受け側にぶつかる)、ムカデ稽古(力士が連結して土俵周りを回る)などの迫力は、肉弾戦の衝撃音や荒々しい息遣いで凄まじく、その激しさや厳しさが直接的に伝わってくる。

 本作に出てくるのは堺川部屋(出羽一門・元小結両国)と高田川部屋(二所一門・元関脇安芸乃島)。ほとんどの関取は身長180cm、体重130kgを超える巨体で、力の象徴を体格で表している。元大関豪栄道(現・武隈親方)はサムライ然としており、竜電はカッコいいイケメンだ。

 カメラは毎日のちゃんこや、監督の招待での焼肉接待を写す。豪快で遠慮のない食べっぷりは気持ちがいいほどだ。お相撲さんはこうでなくっちゃと、納得の支払額(驚愕の数字!)である。

 「気は優しくて力持ち」。普段はお茶目で気のいいお相撲さん。見どころいっぱいの記録映画だ。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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