岐阜新聞 映画部映画館で見つけた作品アンダードッグ B! 「あゝ、荒野」に匹敵するボクシング映画の傑作 2020年12月21日 アンダードッグ ©2020「アンダードッグ」製作委員会 【出演】森山未來、北村匠海、勝地涼、瀧内公美、熊谷真実、水川あさみ、冨手麻妙、萩原みのり、風間杜夫、柄本明 ほか 【監督】武正晴 前後編合わせて4時間36分が全然長く感じない密度の濃い必見作 またひとつ、ボクシング映画の傑作が誕生した。しかも、私が日本のボクシング映画の最高傑作と確信する「あゝ、荒野」に匹敵するほどの傑作が。「あゝ、荒野」同様、前後編の2部作の大長編である「アンダードッグ」は、武正晴監督・足立紳脚本の「百円の恋」のコンビによる新作。 3人のボクサーがそれぞれの人生を背負って、それぞれの意地をかけてリングに立つ。不完全燃焼で夢を諦めきれないベテランボクサー(森山未来)、捨て子で荒れた青春時代から真っ当な人生を再スタートさせた新悦ボクサー(北村匠海)、親の七光り芸人の汚名返上をかける芸能人ボクサー(勝地涼)。 彼らの愛する女性や子、そして父親との関係。さらには、彼らが現在・過去に於いて関わった人物とのエピソードの数々が、前編・後編それぞれのクライマックスの試合をよりエキサイティングなものにしている。 たくさんの登場人物が、映画の中でそれぞれに重要な役割を与えられ、有機的に繋がり、映画の必要不可欠なワンピースとなっている。オリジナルで、これほど密度の濃いドラマが書ける足立紳は凄い。しかも、キャスティングも完璧に近い。 武正晴のダイナミックかつ繊細な、緩急をつけた演出も素晴らしい。クライマックスのボクシングファイトは男泣き必至。 前後編合わせて4時間36分が全然長く感じない。今年のベストワン有力候補の必見作である。 語り手:井上 章映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。 100% 観たい! (8)検討する (0) 語り手:井上 章映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。 2021年04月22日 / あの頃。 今泉力哉監督作品《その3》 2021年04月20日 / キンキーブーツ そこに行かないと見られない本場の舞台が、圧倒的な映像で迫ってくる 2021年04月20日 / キンキーブーツ キンキー(=奇妙)は個性!メッセージを込めた傑作ミュージカル more 2018年12月12日 / シネマテークたかさき(群馬県) 観たい映画をかける映画館を地元に…一人の男が立ち上がった。 2018年09月05日 / 塩山シネマ(山梨県) 風光明媚な山梨の桃源郷にある小さな映画館 2019年04月24日 / 高知あたご劇場(高知県) 高知市内に創業当時の姿で映画の火を灯す more
前後編合わせて4時間36分が全然長く感じない密度の濃い必見作
またひとつ、ボクシング映画の傑作が誕生した。しかも、私が日本のボクシング映画の最高傑作と確信する「あゝ、荒野」に匹敵するほどの傑作が。「あゝ、荒野」同様、前後編の2部作の大長編である「アンダードッグ」は、武正晴監督・足立紳脚本の「百円の恋」のコンビによる新作。
3人のボクサーがそれぞれの人生を背負って、それぞれの意地をかけてリングに立つ。不完全燃焼で夢を諦めきれないベテランボクサー(森山未来)、捨て子で荒れた青春時代から真っ当な人生を再スタートさせた新悦ボクサー(北村匠海)、親の七光り芸人の汚名返上をかける芸能人ボクサー(勝地涼)。
彼らの愛する女性や子、そして父親との関係。さらには、彼らが現在・過去に於いて関わった人物とのエピソードの数々が、前編・後編それぞれのクライマックスの試合をよりエキサイティングなものにしている。
たくさんの登場人物が、映画の中でそれぞれに重要な役割を与えられ、有機的に繋がり、映画の必要不可欠なワンピースとなっている。オリジナルで、これほど密度の濃いドラマが書ける足立紳は凄い。しかも、キャスティングも完璧に近い。
武正晴のダイナミックかつ繊細な、緩急をつけた演出も素晴らしい。クライマックスのボクシングファイトは男泣き必至。
前後編合わせて4時間36分が全然長く感じない。今年のベストワン有力候補の必見作である。
語り手:井上 章
映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。
語り手:井上 章
映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。