岐阜新聞 映画部

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伝説のロックバンドの誕生から解散までを追ったドキュメンタリー

2020年12月10日

ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった

©Robbie Documentary Productions Inc. 2019

【出演】ザ・バンド、マーティン・スコセッシ、ボブ・ディラン、ブルース・スプリングスティーン、エリック・クラプトン、ロニー・ホーキンス、ヴァン・モリソン、ピーター・ガブリエル、タジ・マハール、ジョージ・ハリスン
【監督】ダニエル・ロアー

才能の衝突で生まれる幸運と苦悩

 1978年に公開された『ラスト・ワルツ』は、1976年11月にアメリカ・サンフランシスコで行われた"ザ・バンド"の解散コンサートの記録映画である。このコンサートには、ボブ・ディラン、エリック・クランプトン、ニール・ヤング、ニール・ダイアモンド、ジョニ・ミッチェル、ロン・ウッド、リンゴ・スターといった、そうそうたる顔ぶれがゲスト出演している。音楽ファンの間では既に、伝説のコンサートと言われていたが、個人的には、音楽には疎いこともあり、新進の映画監督の異色のドキュメンタリーという位置づけだった。少し、マニアックなことを言えば、撮影=カメラマンの方に気を取られていた。撮影監督はマーティン・スコセッシ監督が注目を集めることになった『タクシードライバー』(76)のカメラマン・マイケル・チャップマンが務めているが、コンサート風景を多角的にとらえるために配置されたカメラには凄いメンバーが並ぶ。ラズロ・コバックス、ビルモス・ジグモンド、デビッド・マイヤーズ、ヒロ・ナリタ…。誰がどの部分を担当したか?興味はそちらに奪われてしまった。とは言え、映画はコンサートの興奮のフィナーレを感動的に伝えている。

 『ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった』は、メンバーの中心的な存在のギターリストでシンガー・ソング・ライターのロビー・ロバートソンが、2016年に発表した自伝的回想録「証言」を基に、バンドの誕生から解散までの、伝説と秘話を追ったドキュメンタリーである。

 "ザ・バンド"に限ったことではないが、音楽バンドには例に漏れることなく愛憎が渦巻く。偶然や幸運に彩られた"陽"もあれば、才能がぶつかり合う苦悩と狂気の"隠"が存在する。

 "ラスト・ワルツ"の解散コンサートはロビー・ロバートソンとバンドのマネージャー・チームによって独断で進められたという。ロバートソンはツアー活動に疲れていたと述懐しているが、ほかのメンバーは継続を希望していた。その他の証言を含め、全てが儚く淋しく感じられる。解散というのは"エンド"だろうか?

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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