岐阜新聞 映画部

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ステイホームであっても、オシャレしたくなる映画

2020年10月12日

ライフ・イズ・カラフル! 未来をデザインする男 ピエール・カルダン

©House of Cardin - The Ebersole Hughes Company

【出演】ジャン=ポール・ゴルチエ、シャロン・ストーン、ナオミ・キャンベル、森英恵、高田賢三、桂由美、グオ・ペイ、アリス・クーパー、フィリップ・スタルク
【監督・プロデューサー】P.デビッド・エバーソール&トッド・ヒューズ

長寿の秘訣は「Work, work, work and stay happy」

 「駆け出しの頃の僕は美男子だったからね。ヴィスコンティもパゾリーニも、みんな僕と寝たがっていたよ」  ツウの映画マニアがニヤリとするようなエピソードを、何のてらいもなくあっけらかんと言うピエール・カルダンは、御年98歳!でもって未だ現役というのだから、驚嘆する以外にない。

 私は50も半ばを過ぎてから突如ファッションに目覚めたが、正直言ってピエール・カルダンは、ギフトのタオル&ハンカチセットのイメージしかなかった。しかし、この映画を観てから認識を完全に改めた。

 普段カップ麺をすするような私がファッションを楽しめるのは、全てピエール・カルダンさんのおかげ、ファッション界の神であり哲人なのだと分かったのだ。

 彼のファッションは「こんなん誰が着るんだ?」というような幾何学柄や奇抜なデザインのコスモルックで知ってはいたが、実はファッションを商業ベースに乗せた第一人者。一部の富裕層向けのオートクチュール(高級仕立服)全盛時代に、婦人向けプレタポルテ(既製服)の分野に参入、ファッション後進国だった日本や中国にもいち早く進出し、「モードの民主化」を唱えた。

 経営基盤を支えるためライセンスビジネスにも踏み切り、ジェット機からスリッパ、ハンカチまで無数のアイテムにロゴマークが付けられ、ブランドを世界中に広めていった。

 スーツ一辺倒だった男性服に、モダンなメンズコレクションを始めたのも彼だし、ファッションショーに黒人やアジア人を起用したのもカルダンだ。

 男性(アンドレ・オリヴェ)にも女性(ジャンヌ・モロー)にも恋をし、長寿の秘訣を「Work, work, work and stay happy」と答えるカルダン。

 弟子のゴルチェをはじめとするファッション界や映画界の大物が次々に登場し、カルダンを語っていく。高田賢三さんも登場する。

 ステイホームであっても、オシャレしたくなる映画だ。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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