岐阜新聞映画部映画館で見つけた作品ハニーボーイ B! 人気子役の光と影 2020年10月04日 ハニーボーイ © 2019 HONEY BOY, LLC. All Rights Reserved. 【出演】ノア・ジュプ、シャイア・ラブーフ、ルーカス・ヘッジズ、FKAツイッグス 【監督】アルマ・ハレル 痛みと悲しみは繰り返されるのか?その先に見える希望の光 20代の俳優オーティスは、酩酊状態で車を運転中、事故を起こしてしまう。怪我の治療中、カウンセラーから"PTSD"の症状が見られるが、何か心当たりはあるか?と告げられる。 ハリウッドで人気子役として活躍する12歳のオーティス(ノア・ジュプ)の側には、いつも父親のジェームズ(シャイア・ラブーフ)がいた。子役には"ステージパパ(多くはママ)"がつきもので、人気の影には親の存在が色濃く存在することがある。しかし、ジェームズは少し違う。感情をコントロールできない時や、発作的に暴発して暴力的になることがあり、まわりからも警戒されている。また、彼には前科があり、定職に就けず息子に寄生している立場だった。 そんな親子を気にかけてくれるのは、保護観察員や共演する俳優だったりする。いちばんの安らぎとなるのは隣人の少女だったが、オースティンが自分以外の人と接して、優しくしてもらうことをジェームズは極度に嫌った。父としての偏愛は、自らの不甲斐なさとまみれることで、憤懣は暴力となって噴出した。 ジェームズを演じ、脚本を書いたシャイア・ラブーフは、カリフォルニア州ロサンゼルスで、フランス人の父親とユダヤ人の母親の間に生まれた。両親はヒッピーで、幼い頃に離婚している。芸能生活のキャリアは、スタンダップコメディアンとして地元のコーヒーショップに立ったことにはじまる。その後、ディズニー・チャンネルのオーディションに合格し、ドラマの主役の大役を得た。この作品のオーティスが置かれている状況が、この経歴と一致する。一時、奇行で騒がれた時期があったが、本作の脚本執筆のきっかけは、アルコール依存症のリハビリプログラムの一貫だったという。自らの父親の幻影を力演し、イメージチェンジの一役となった。 オーティス役のノア・ジュプは、深い愛情と暴力の狭間で、自らの義務を健気に果たそうとする繊細な役柄を見事に演じ、映画を支えている。 夕焼け、朝焼けに滲む映像が、切ない父子の感情を映し出し印象深い。 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 100% 観たい! (10)検討する (0) 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 2024年09月26日 / どら平太 日本映画黄金時代を彷彿とさせる盛りだくさんの時代劇 2024年09月26日 / 潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断 助けを求める人はもはや敵ではなく、ただの人間だ 2024年09月26日 / 潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断 海の男たちが下す決断を描くヒューマンドラマ more 2024年09月11日 / 【思い出の映画館】シネマライズ(東京都) 渋谷系サブカル世代に新しい映画の魅力を提供した。 2021年09月22日 / 【思い出の映画館】浅草中映劇場/浅草名画座(東京都) 下町の名画座で、あんぱん片手に映画観賞した日々 2021年05月12日 / 新星劇場(長野県) 信州の豊かな自然に囲まれた街の小さな映画館 more
痛みと悲しみは繰り返されるのか?その先に見える希望の光
20代の俳優オーティスは、酩酊状態で車を運転中、事故を起こしてしまう。怪我の治療中、カウンセラーから"PTSD"の症状が見られるが、何か心当たりはあるか?と告げられる。
ハリウッドで人気子役として活躍する12歳のオーティス(ノア・ジュプ)の側には、いつも父親のジェームズ(シャイア・ラブーフ)がいた。子役には"ステージパパ(多くはママ)"がつきもので、人気の影には親の存在が色濃く存在することがある。しかし、ジェームズは少し違う。感情をコントロールできない時や、発作的に暴発して暴力的になることがあり、まわりからも警戒されている。また、彼には前科があり、定職に就けず息子に寄生している立場だった。
そんな親子を気にかけてくれるのは、保護観察員や共演する俳優だったりする。いちばんの安らぎとなるのは隣人の少女だったが、オースティンが自分以外の人と接して、優しくしてもらうことをジェームズは極度に嫌った。父としての偏愛は、自らの不甲斐なさとまみれることで、憤懣は暴力となって噴出した。
ジェームズを演じ、脚本を書いたシャイア・ラブーフは、カリフォルニア州ロサンゼルスで、フランス人の父親とユダヤ人の母親の間に生まれた。両親はヒッピーで、幼い頃に離婚している。芸能生活のキャリアは、スタンダップコメディアンとして地元のコーヒーショップに立ったことにはじまる。その後、ディズニー・チャンネルのオーディションに合格し、ドラマの主役の大役を得た。この作品のオーティスが置かれている状況が、この経歴と一致する。一時、奇行で騒がれた時期があったが、本作の脚本執筆のきっかけは、アルコール依存症のリハビリプログラムの一貫だったという。自らの父親の幻影を力演し、イメージチェンジの一役となった。
オーティス役のノア・ジュプは、深い愛情と暴力の狭間で、自らの義務を健気に果たそうとする繊細な役柄を見事に演じ、映画を支えている。
夕焼け、朝焼けに滲む映像が、切ない父子の感情を映し出し印象深い。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。