岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

素晴らしい脚本と鮮やかな城定マジック

2020年08月18日

アルプススタンドのはしの方

© 2020「On The Edge of Their Seats」Film Committee

【出演】小野莉奈、平井亜門、西本まりん、中村守里、黒木ひかり、平井珠生、山川琉華、目次立樹
【監督】城定秀夫
【脚本】奥村徹也

培ってきたテクニックを駆使して、映画ならではの醍醐味が感じられる快作

 全国高等学校演劇大会最優秀賞受賞の戯曲の映画化だそうだが、脚本がとても良くできている。登場人物が皆それぞれにもやもやした思いを抱えているのが会話の中から浮かび上がり、それが野球の試合の行方とシンクロして、それぞれの思いに転機をもたらす構成が素晴らしい。

 城定秀夫監督は演劇のテイストを活かしながらも、たくさんのピンク映画等で培ってきたテクニック(特にカメラワークと編集の妙)を駆使して、見事に映画ならではの醍醐味が感じられる快作に仕上げている。

 何より高校野球の応援席(のはしの方)を舞台にしながら、最後まで試合のシーンを一切映さない実験的なチャレンジをし、それでいてクライマックスでは映らない試合に登場人物と共に一喜一憂させる離れ業に成功している。ストーリー展開のなかで重要な野球の試合と2名の野球部員をあえて映さないことで、観客の想像力を最大限に掻き立てる演出は、城定マジックとでも名付けたいほど見事。

語り手:井上 章

映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。

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語り手:井上 章

映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。

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