岐阜新聞 映画部

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天才発明家VSカリスマ実業家 世界を変える〈電流戦争〉を制するのは誰!?

2020年08月21日

エジソンズ・ゲーム

©2018 Lantern Entertainment LLC. All Rights Reserved.

【出演】ベネディクト・カンバーバッチ、マイケル・シャノン、トム・ホランド、ニコラス・ホルト
【監督】アルフォンソ・ゴメス=レホン

テスラのような人こそもっとスポットを当てて欲しかった

 いま私たちが、何の不自由もなく電化製品を使えるのは、電気が安定的に供給されているからだ。遠く離れた発電所で発電された数千V(ボルト)から2万Vの電気を、最高50万Vの超高電圧に変電。それを送電線に送り出し、変電を繰り返して徐々に電圧を下げ、最終的に100Vに変圧されて各家庭に送られる。

 本作は、この巨大な仕組みの中の「送電」の部分に絞り、「天才発明家VSカリスマ実業家 世界を変える〈電流戦争〉を制するのは誰!?」を描いたビジネスドラマである。

 映画は専門用語が飛び交いカット割りも多く、字幕を追うのが大変であるが、しっかりついていくしかない。分からない用語は、前後の文脈で理解するのだ。

 注意深く観ていると、「へえー」という事実が出てくる。エジソン(ベネディクト・カンバーバッチ)の秘書が「あなたは白熱灯の発明者ではない」という。電球の持続時間を上げるため、約6,000種類の素材を試し商品化したのがエジソン。彼は、発明家だけでなく優れた実業家であったことがよく分かる。

 本筋である「直流か交流か」。簡単に言えば、どちらの方式が送電線内部の「抵抗」により損失する電流を、少なくすることができるかだ。電圧を上げればロスが少なくなるのだが、減圧ができない直流では送電損失が大きくなる。一方、交流は減圧が自由自在にできるため送電損失は小さい。

 エジソンの会社にいたテスラ(ニコラス・ホルト)は、交流のメリットをエジソンに進言するが、直流に固執するエジソンは聴く耳を持たない。業を煮やしたテスラは、ライバルのウェスティングハウス(マイケル・シャノン)の下へ移り、彼と二人三脚でエジソンに勝利する。映画を観ていると、このテスラこそ交流にシフトしていく立役者だと分かってくる。こういう人こそもっとスポットを当てて欲しかったと、チョット注文を付けたくなってくる。

 うんちくが深まる映画である。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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