岐阜新聞映画部映画館で見つけた作品15年後のラブソング B! タッカーとアニーの淡い恋路を見て楽しむ、大人の恋愛映画 2020年07月28日 15年後のラブソング © 2018 LAMF JN, Ltd. All rights reserved. 【出演】ローズ・バーン、イーサン・ホーク、クリス・オダウド、アジー・ロバートソン、アユーラ・スマート、リリー・ブレイジャー、フィル・ディヴィス、デニース・ゴフ、リリー・ニューマーク 【監督】ジェシー・ペレッツ ダンカンに感情移入しすぎて、映画の批評どころではない。 ロンドン大学で美術史を学んだが、地元の博物館の学芸員になり悶々としているアニー(ローズ・バーン)。腐れ縁みたいなカレシで、タッカー・クロウマニアのチョットめんどくさいダンカン(クリス・オダウド)。 このちょっぴりインテリで「ほんとの自分はこんなじゃない」とお高く留まった"意識高い系"の2人の世界に、突如乱入してきたのは本物のタッカー・クロウ(イーサン・ホーク)だ。突然表舞台から消えた彼は、今やお腹の出たダメおやじになっていた。 本作は、この3人の「オトナになれない大人たち」の、新しい人生への船出を描いた映画で、タッカーを有名人でなくオトコとして接するアニーとの淡い恋路を見て楽しむ、大人の恋愛映画である。 まっとうに見ればそうだが、私はオタクのダンカンに感情移入しすぎて、今までの自分の行動を思い起こし、恥ずかしさでいっぱいになってしまった。もう映画の批評どころではない。 ダンカンは、タッカーが好きすぎてファンサイトまで立ち上げ、毎日世界中のタッカーファンと熱い激論を闘わせている。部外者にタッカーに関する批判など一切許さない。一度も本人に会ってないにも関わらずだ。むしろ、本人を知らないからこそ、勝手に神格化できる。そこへ突然、本人が現れたときの戸惑い。これ痛いほどよく分かるのだ。 去年の岐阜新聞映画部のイベントで、私が最も心酔している映画評論家・町山智浩さんが予告なしに参加された際、中々声がかけられず、「たまむすび聴いてます」としか言えなかった。その後の呑み会で少しは喋れたが、普通に喋るなんて無理だった。 その昔、名古屋の居酒屋で、関西漫才界の大御所・夢路いとし師匠と偶然隣り合わせになり、夢中で「一心太助」や「ガキ帝国」などの出演映画の話をした。一人で静かに呑みたかっただろうに、ずっとニコニコ聴いて下さった。 そんな事を思わせたダンカンに、共感大の映画である。 語り手:ドラゴン美多中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。 100% 観たい! (9)検討する (0) 語り手:ドラゴン美多中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。 2024年09月06日 / 幸せのイタリアーノ 嘘からはじまるロマンチックコメディ 2024年09月06日 / 愛に乱暴 真面目に生きてきた女性が壊れる 2024年09月06日 / 愛に乱暴 人間の我慢の限界を描き、本質に迫った映画 more 2021年04月14日 / 宮崎キネマ館(宮崎県) 南国の街で良質な映画を送り続けるミニシアター 2024年06月05日 / shimane cinema ONOZAWA(島根県) 山陰の地方都市に復活した街の小さな映画館。 2022年09月14日 / 松本シネマライツ(長野県) 日常の中に映画館で映画を観る習慣が甦った街。 more
ダンカンに感情移入しすぎて、映画の批評どころではない。
ロンドン大学で美術史を学んだが、地元の博物館の学芸員になり悶々としているアニー(ローズ・バーン)。腐れ縁みたいなカレシで、タッカー・クロウマニアのチョットめんどくさいダンカン(クリス・オダウド)。
このちょっぴりインテリで「ほんとの自分はこんなじゃない」とお高く留まった"意識高い系"の2人の世界に、突如乱入してきたのは本物のタッカー・クロウ(イーサン・ホーク)だ。突然表舞台から消えた彼は、今やお腹の出たダメおやじになっていた。
本作は、この3人の「オトナになれない大人たち」の、新しい人生への船出を描いた映画で、タッカーを有名人でなくオトコとして接するアニーとの淡い恋路を見て楽しむ、大人の恋愛映画である。
まっとうに見ればそうだが、私はオタクのダンカンに感情移入しすぎて、今までの自分の行動を思い起こし、恥ずかしさでいっぱいになってしまった。もう映画の批評どころではない。
ダンカンは、タッカーが好きすぎてファンサイトまで立ち上げ、毎日世界中のタッカーファンと熱い激論を闘わせている。部外者にタッカーに関する批判など一切許さない。一度も本人に会ってないにも関わらずだ。むしろ、本人を知らないからこそ、勝手に神格化できる。そこへ突然、本人が現れたときの戸惑い。これ痛いほどよく分かるのだ。
去年の岐阜新聞映画部のイベントで、私が最も心酔している映画評論家・町山智浩さんが予告なしに参加された際、中々声がかけられず、「たまむすび聴いてます」としか言えなかった。その後の呑み会で少しは喋れたが、普通に喋るなんて無理だった。
その昔、名古屋の居酒屋で、関西漫才界の大御所・夢路いとし師匠と偶然隣り合わせになり、夢中で「一心太助」や「ガキ帝国」などの出演映画の話をした。一人で静かに呑みたかっただろうに、ずっとニコニコ聴いて下さった。
そんな事を思わせたダンカンに、共感大の映画である。
語り手:ドラゴン美多
中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。
語り手:ドラゴン美多
中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。