岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

マニア向けでなく、ファンタジー映画に仕立て上げた

2019年12月28日

パリに見出されたピアニスト

©Récifilms – TF1 Droits Audiovisuels – Everest Films – France 2 Cinema – Nexus Factory – Umedia 2018

【出演】ランベール・ウィルソン、クリスティン・スコット・トーマス、ジュール・ベンシェトリ
【監督・脚本】ルドヴィク・バーナード

有名な名曲が聴ける幸せと、ツッコミの両方が楽しめる

 フランスでは、2013年から全国の主要ターミナル駅の構内に、通行人が誰でも弾けるピアノが置かれているらしい。さすが芸術大国フランスと思いきや、本作の監督ルドヴィク・バーナードによると「フランスでは、クラシック音楽はゆとりのある富裕層だったり学歴の高い人たちが聴くものだという偏見がある。」とのこと。イメージと現実は違っているのだ。

 取っ付きにくいと思われているクラシック音楽の偏見を取り除き、その魅力を知ってもらうために、バーナード監督は本作をマニア向けでなく、通俗的でツッコミどころ満載のファンタジー映画に仕立て上げた。とんでも映画好きの私にとっては、有名な名曲が聴ける幸せと、「そんなにうまくいくわけないだろ!」とのツッコミの両方ともが楽しめる、おいしい映画となっていた。

 パリ郊外の団地に住む青年マチュー(ジュール・ベンシェトリ)は、不良仲間の目を盗んで密かにピアノを練習していたが、泥棒に入った邸宅でピアノを弾いてしまうという大失態をしでかし、警察に捕まってしまう。しかし、清掃奉仕をすれば刑務所へ入らなくて済むというシステムの恩恵を受けて、パリの名門音楽学校のディレクター・ピエール(ランベール・ウィルソン)に目を付けられていたマチューは、自分の意思とは関係なくその学校に通わされる事となる。

 生徒でもない彼を、女伯爵と言われるピアノ教師・エリザベス(クリスティン・スコット・トーマス)の指導を無理やり受けさせ、優秀な正規の生徒を差し置いて、もぐりの彼を適当な理由をつけてピアノコンクールに参加させ優勝させようとする。すべては経営難の学校を立て直すためという、一方的な都合のためだ。

 最後は演奏時間にギリギリにセーフ。一度も合わせた事の無いオーケストラと共に、ラフマニノフのピアノ協奏曲2番をあっさり弾いてしまう。ありえへんやろ!

 とまあこんな具合で、大いに楽しめる映画である。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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