岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

ハリウッド注目の監督が描く
あれから30年後のL.A.

2017年12月07日

ブレードランナー2049

【出演】ライアン・ゴズリング、ハリソン・フォード
【製作総指揮】リドリー・スコット
【監督】ドゥニ・ヴィルヌーヴ

人間とAIの境は何か、
記憶とは何か

 このカナダ、ケベック生まれの監督ドゥニ・ヴィルヌーヴには直近に『メッセージ』、『ボーダーライン』、過去には『灼熱の魂』という傑作があり、最近のハリウッドではかなり信用のおける才人と評価している。前作から30年後のロサンゼルスが舞台。少年時代があったかのような子供のころのシーンが何度も挿入される。これは脳に作られた過去がチップとして埋め込まれていると解釈すべきなのだろうが、映画では本物の記憶のように描かれる。人間とAIの境は何か、記憶とは何か、がテーマの一つとして浮かび上がる。本作のライアン・ゴズリングの主人公は無口で思索的。喜怒哀楽も見せず、ひたすら忠実に職務を全うしようとする。未来の都市の造形が凝っている。気候変動で海抜が上昇し、巨大な海壁が市全体を保護している。シナリオ上の難はレプリカントを作った会社が抱える秘密とデッカードの子供の出生の経緯が曖昧なあたり。

語り手:シネマトグラフ

外資系資産運用会社に勤務。古今東西の新旧名画を追いかけている。トリュフォー、リヴェット、ロメールなどのフランス映画が好み。日本映画では溝口と成瀬。タイムスリップして彼らの消失したフィルムを全て見たい。

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語り手:シネマトグラフ

外資系資産運用会社に勤務。古今東西の新旧名画を追いかけている。トリュフォー、リヴェット、ロメールなどのフランス映画が好み。日本映画では溝口と成瀬。タイムスリップして彼らの消失したフィルムを全て見たい。

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