岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

今年一番の爽快感を得られる
傑作の誕生!

2017年11月30日

ドリーム

©2016 Twentieth Century Fox

【出演】タラジ・P・ヘンソン、オクタヴィア・スペンサー、ジャネール・モネイ、ケビン・コスナー、キルスティン・ダンスト、ジム・パーソンズ、マハーシャラ・アリ
【監督・製作・脚本】セオドア・メルフィ

万人の心を掴むヒロインたちの力強い姿

 1960年代、NASAの有人宇宙飛行計画に大きな貢献をした、三人の黒人女性の知られざる真実のドラマを映画化した『ドリーム』は、鑑賞後に今年一番の爽快感が得られる傑作です。
 ここに描かれる、人種差別・女性差別に屈することなく自身の能力を周りに認めさせたヒロインたちの姿は、万人の心を掴むだろう。そして、ストーリーの素晴らしさを最大限に生かした、ユーモアを忘れないポジティブな語り口が、人種差別を告発した作品が陥りがちな暗いイメージを払拭し、爽やかな感動を呼び起こしてくれる。この作品を見れば、普段は人種差別についてあまり考えたことのない人でも、人格・能力とは関係なく肌の色とかで差別することが、如何に馬鹿げたことであるか納得する筈だ。
 三人のヒロインを演じた、タラジ・P・ヘンソン、オクタヴィア・スペンサー、ジャネール・モネイ好演。上司役のケビン・コスナーもイイ味を出している。監督は、ビル・マーレイ主演の『ヴィンセントが教えてくれたこと』を撮ったセオドア・メルフィ。アメリカ映画の良き伝統である、ヒューマン・コメディを継承する、今後の活躍が楽しみな監督が現れた。

『ドリーム』は岐阜CINEXほか、全国で上映中。

語り手:井上 章

映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。

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語り手:井上 章

映画鑑賞歴44年。出来る限り映画館で観ることをモットーとし、日本映画も外国映画も、新作も旧作も、ジャンルを問わず観てきたおかげか、2006年に、最初の映画検定1級の試験に最高点で合格しました。

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