岐阜新聞映画部映画館で見つけた作品クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅 B! インド人青年の恋と冒険の寓話 2019年09月03日 クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅 ©2018 Copyright BRIO FILMS-SCOPE PICTURES-LITTLR RED CAR-TF1 AUDIOVISUELS-SONY PICTURES ENTERTAINMENT FRANCE All rights reserved. 【出演】ダヌーシュ、ベレニス・ベジョ、エリン・モリアーティ、バーカッド・アブディ、ジェラール・ジュニョ 【監督】ケン・スコット その旅はクローゼットから始まる インド・ムンバイで母と暮らすアジャは、幼い頃から近所の仲間たちと、路上パフォーマンスをして小銭を稼いでいた。時には盗みを働くこともあったが、それはパリに住むという、まだ見ぬ父親に会いに行く費用を捻出するためだった。 すっかり大人になったアジャ(ダヌーシュ)だったが、夢はまだ道半ば。そんな時、最愛の母が他界する。アジャはパリ行きを決断するが、頼りにするのは100ユーロの偽札だった。 憧れのパリに到着して、アジャがまず目指したのは大型家具店。カラフルな家具をこよなく愛していたからだが、その店でアメリカ人女性マリーと出会い、次の日のデートの約束をする。宿泊先のないアジャは家具店のクローゼットの中に忍び込み、そのまま眠りにつくが…クローゼットはイギリスに発送されてしまう。 ロンドン行きの輸送トラックの荷台で目覚めたアジャは、そこでソマリアからの不法入国者ウィラージに出会う。生活のために危険を冒してまで入国しようとする彼らとの間には、気持ちからして大きな格差がある。アジャは巻き込まれた状況を呪ってばかりはいられないと奮起するのだが、待ち構えているのはもっと苛酷な運命だった。 アジャの旅は巻き込まれ型のシチュエーションコメディとなり、イギリスからスペイン、イタリア、リビアへと移動する。その手段もクローゼットから飛行機、船、大きなトランクから気球とバラエティに富んでいる。それぞれの土地では出会いがあり、根っからのポジティブな性格が窮地を救う。 見せ方も凝っていて、インド映画には必ず登場する“ボリウッドダンス”あり、イギリスではモンティ・パイソン風のミュージカル、イタリアではニーノ・ロータ風の音楽によるカーチェイスありと、映画好きをくすぐる。 波瀾万丈、恋と冒険の寓話として楽しめるが、終盤にかけての展開はやり過ぎ感があり、ちょっと興ざめ…まあ、大目に見ようか? 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 100% 観たい! (8)検討する (0) 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 2024年09月26日 / どら平太 日本映画黄金時代を彷彿とさせる盛りだくさんの時代劇 2024年09月26日 / 潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断 助けを求める人はもはや敵ではなく、ただの人間だ 2024年09月26日 / 潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断 海の男たちが下す決断を描くヒューマンドラマ more 2019年12月11日 / キネマ旬報シアター(千葉県) 日本最古の映画雑誌社が運営する映画館で映画と本を満喫する。 2022年07月27日 / 塚口サンサン劇場(兵庫県) 自転車に乗ってエプロン姿で気軽に来れる街の映画館 2021年11月10日 / 【思い出の映画館】会津東宝(福島県) 歴史と文化の東北の町で子供たちに夢を贈り続けた。 more
その旅はクローゼットから始まる
インド・ムンバイで母と暮らすアジャは、幼い頃から近所の仲間たちと、路上パフォーマンスをして小銭を稼いでいた。時には盗みを働くこともあったが、それはパリに住むという、まだ見ぬ父親に会いに行く費用を捻出するためだった。
すっかり大人になったアジャ(ダヌーシュ)だったが、夢はまだ道半ば。そんな時、最愛の母が他界する。アジャはパリ行きを決断するが、頼りにするのは100ユーロの偽札だった。
憧れのパリに到着して、アジャがまず目指したのは大型家具店。カラフルな家具をこよなく愛していたからだが、その店でアメリカ人女性マリーと出会い、次の日のデートの約束をする。宿泊先のないアジャは家具店のクローゼットの中に忍び込み、そのまま眠りにつくが…クローゼットはイギリスに発送されてしまう。
ロンドン行きの輸送トラックの荷台で目覚めたアジャは、そこでソマリアからの不法入国者ウィラージに出会う。生活のために危険を冒してまで入国しようとする彼らとの間には、気持ちからして大きな格差がある。アジャは巻き込まれた状況を呪ってばかりはいられないと奮起するのだが、待ち構えているのはもっと苛酷な運命だった。
アジャの旅は巻き込まれ型のシチュエーションコメディとなり、イギリスからスペイン、イタリア、リビアへと移動する。その手段もクローゼットから飛行機、船、大きなトランクから気球とバラエティに富んでいる。それぞれの土地では出会いがあり、根っからのポジティブな性格が窮地を救う。
見せ方も凝っていて、インド映画には必ず登場する“ボリウッドダンス”あり、イギリスではモンティ・パイソン風のミュージカル、イタリアではニーノ・ロータ風の音楽によるカーチェイスありと、映画好きをくすぐる。
波瀾万丈、恋と冒険の寓話として楽しめるが、終盤にかけての展開はやり過ぎ感があり、ちょっと興ざめ…まあ、大目に見ようか?
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。