岐阜新聞映画部映画館で見つけた作品さらば愛しきアウトロー B! 老銀行強盗は微笑みの紳士だった 2019年08月18日 さらば愛しきアウトロー ©2018 Twentieth Century Fox Film Corporation All Rights Reserved 【出演】ロバート・レッドフォード、ケイシー・アフレック、ダニー・グローヴァー、チカ・サンプター、トム・ウェイツ、シシー・スペイセク 【監督・脚本】デヴィッド・ロウリー 配役の妙でレッドフォードの粋な役者人生が見えてくる 中折れ帽を被り、スーツに身を包んだ老紳士が、銀行の窓口に立つ。「ご用件は?」和かに対応する行員に、上着の内ポケットに忍ばせた拳銃を見せて微笑み返す。彼はフォレスト・タッカー(ロバート・レッドフォード)で、80年代初頭に実在した銀行強盗。 微笑みながら誰も傷つけることなく目的を遂げる老銀行強盗は、マスコミを賑わせ話題になる。それを追う刑事はジョン・ハント(ケイシー・アフレック)で、たまたま、幼い娘を連れて訪れた銀行が事件現場だった因縁から、タッカーの過去を探るうちに、犯人を追う立場を忘れるほど老強盗の生き様に魅了されていく。 現場からの逃走中、道路上で車の故障で立ち往生している女性に声をかけるタッカー。これは追っ手のパトカーをやり過ごすための手段だったが、それでもその女性をダイナーに誘ったりするから隅に置けない。その未亡人ジュエル(シシー・スペイセク)は老いたナンパ師に疑いを持つが、危うい魅力にも惹きつけられてしまう。 ロバート・レッドフォードは1936年8月18日生まれ。『明日に向って撃て!』(1969、ジョージ・ロイ・ヒル監督)のサンダンス・キッド役でブレイクしたが、この映画は伝説の銀行強盗のお話。『ホット・ロック』、『スティング』といった犯罪者役と、『追憶』(1973)、『華麗なるギャツビー』(1974)などの甘い二枚目役を両立させて、その存在感を発揮している。 老犯罪者と言えば、今年公開されたクリント・イーストウッドの『運び屋』が思い浮かぶ。2人のスターには奇妙な共通点があって、ともにアカデミー賞で監督賞を受賞して高い評価を受ける一方で、主演男優賞は未だに受賞できていないというものだ。ちょっと不思議な因縁。 タッカーの手口は基本的には単独犯行だか、大きなヤマではコンビを組む。その相棒がダニー・グローヴァーとトム・ウェイツというのも粋な配役だ。引退作と銘打っている割には軽快な作品だか、二枚目の顔に刻まれた皺のように深い味わいがある。 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 100% 観たい! (9)検討する (0) 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 2024年04月24日 / ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター 4Kで甦る 憎悪の泥に塗れた官能的な愛の物語 2024年04月24日 / ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター ジェーン・カンピオン監督の最高傑作、完璧な作品 2024年04月24日 / RED SHOES/レッド・シューズ オーストラリア発バレエ舞台の成長物語 more 2019年08月07日 / 刈谷日劇(愛知県) 愛知を代表する工業都市で名作を送り続ける街のミニシアター 2019年01月16日 / 高田世界館(新潟県) 明治44年の建築当時のまま…登録有形文化財の映画館 2022年11月23日 / 新世界東映(大阪府) エネルギッシュな歓楽街で硬派な日本映画を堪能。 more
配役の妙でレッドフォードの粋な役者人生が見えてくる
中折れ帽を被り、スーツに身を包んだ老紳士が、銀行の窓口に立つ。「ご用件は?」和かに対応する行員に、上着の内ポケットに忍ばせた拳銃を見せて微笑み返す。彼はフォレスト・タッカー(ロバート・レッドフォード)で、80年代初頭に実在した銀行強盗。
微笑みながら誰も傷つけることなく目的を遂げる老銀行強盗は、マスコミを賑わせ話題になる。それを追う刑事はジョン・ハント(ケイシー・アフレック)で、たまたま、幼い娘を連れて訪れた銀行が事件現場だった因縁から、タッカーの過去を探るうちに、犯人を追う立場を忘れるほど老強盗の生き様に魅了されていく。
現場からの逃走中、道路上で車の故障で立ち往生している女性に声をかけるタッカー。これは追っ手のパトカーをやり過ごすための手段だったが、それでもその女性をダイナーに誘ったりするから隅に置けない。その未亡人ジュエル(シシー・スペイセク)は老いたナンパ師に疑いを持つが、危うい魅力にも惹きつけられてしまう。
ロバート・レッドフォードは1936年8月18日生まれ。『明日に向って撃て!』(1969、ジョージ・ロイ・ヒル監督)のサンダンス・キッド役でブレイクしたが、この映画は伝説の銀行強盗のお話。『ホット・ロック』、『スティング』といった犯罪者役と、『追憶』(1973)、『華麗なるギャツビー』(1974)などの甘い二枚目役を両立させて、その存在感を発揮している。
老犯罪者と言えば、今年公開されたクリント・イーストウッドの『運び屋』が思い浮かぶ。2人のスターには奇妙な共通点があって、ともにアカデミー賞で監督賞を受賞して高い評価を受ける一方で、主演男優賞は未だに受賞できていないというものだ。ちょっと不思議な因縁。
タッカーの手口は基本的には単独犯行だか、大きなヤマではコンビを組む。その相棒がダニー・グローヴァーとトム・ウェイツというのも粋な配役だ。引退作と銘打っている割には軽快な作品だか、二枚目の顔に刻まれた皺のように深い味わいがある。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。