岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

大富豪殺人事件に挑む若き探偵

2019年06月29日

アガサ・クリスティー ねじれた家

© 2017 Crooked House Productions Ltd.

【出演】グレン・クローズ、マックス・アイアンズ、ステファニー・マティーニ、テレンス・スタンプ、クリスティーナ・ヘンドリックス、ジリアン・アンダーソン、アマンダ・アビントン、オナー・ニーフシー、ジュリアン・サンズ、クリスチャン・マッケイ
【監督】ジル・パケ=ブレネール

クリスティー絶頂期のミステリー小説初の映画化

 ミステリーの女王アガサ・クリスティーは、1920年のデビューから20億冊を売り上げているという。作家としての知名度は高くファンも多い。映像化された作品も映画、テレビと幅広く、シリーズ化されているものもある。ポアロ、メイプルといった探偵の名前をご存知の方もいるだろうが、『ねじれた家』にはこれらの名探偵は登場しない。

 一代にして巨万の富を築いたレオニデス家の当主が亡くなる。そして、その死因は毒殺が疑われる。レオニデスの孫娘ソフィア(ステファニー・マティーニ)は、その捜査を元恋人のチャールズ(マックス・アイアンズ)に依頼する。チャールズは私立探偵としては若いが、父親はロンドン警視庁の副総監であることや警察の後ろ盾が経験不足を補う。しかし、チャールズがいまひとつ乗り気でないのは、自らの自信の無さから来るものなのか?ソフィアとの過去の経緯が関係しているからか?

 レオニデス家の豪邸にチャールズが到着し、容疑者と思われる一族の一人ひとりに面談していく過程はミステリーの王道で、愛人のいる後妻、映画製作の資金捻出に困窮している長男夫婦、父親から受け継いだ会社が倒産寸前の次男といった面子が怪しげに紹介されていく。そこに真打として登場するのが、レオニデスの亡き前妻の姉=大伯母のイーディス(グレン・クローズ)で、これは俳優の格からいっても犯人確定だわと、下衆の勘ぐりならぬ早合点をしたりする。が、ここで第2の殺人が起きる。

 人物の性格分析や置かれた環境を解明していく過程で、いくつかの物証らしき小道具が提示される。もたついて見える探偵の手腕に疑問を持ったりもするが…物語は一気にクライマックスを迎える。

 おどろおどろしい描写はないが、心理劇としての緊張感は保たれる。さて、あなたの名探偵ぶりやいかに…。

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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