岐阜新聞映画部映画館で見つけた作品ねことじいちゃん B! 写真家岩合光昭初監督猫映画 2019年05月10日 ねことじいちゃん ©2018「ねことじいちゃん」製作委員会 【出演】立川志の輔、柴咲コウ、小林薫、田中裕子、柄本佑、銀粉蝶、山中崇、葉山奨之 ほか 【監督】岩合光昭 ほっこりとした猫目線で描く離島の日常 岩合光昭は1950年生まれ。動物写真家であった父・徳光の助手を務めるなどして、早くから写真家を志した。79年には「海からの手紙」(朝日新聞社)で木村伊兵衛賞を受賞。アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に2年間の滞在して完成させた写真集「おきて」(86/小学館)は、世界的なベストセラーとなった。近年では、NHK-BSなどで放映中のドキュメンタリー「岩合光昭の世界ネコ歩き」が人気となっている。 『ねことじいちゃん』は、ねこまきの同名コミックを原作にした、岩合光昭の映画監督デビュー作となる。 2年前に妻に先立たれた大吉(立川志の輔)は飼い猫のタマ(ベーコン)とふたり暮らし。朝、胸苦しさを感じて目覚めると、タマが胸の上で鎮座している。相棒に「おはよう」の挨拶をすませると、台所に立って朝食の準備をする。その出来栄えが良ければ、ご機嫌の一日が始まる。そして、日課にしているタマとの散歩。島のあちこちに馴染みの顔が見えるが、どれも年寄りばかり。タマにもマイペースの縄張り巡回がある。 舞台は離島だが特定の地名は出てこない。離島が抱える高齢化過疎は、温度差はあるもののどの島にも共通の課題として地域社会にある。しかし、映画はそういう問題に踏みこむことはしない。あくまで、視線は現状を冷静に見つめる。顔を合わせればたちまち口喧嘩が始まるおばさんコンビ。幼馴染のふたりは、未練の過去にときめきを見つける。新米の診療所の医師は年寄りのわがままに振り回されるが、何とか島に溶け込みたいと考えている。そんな島に若い女性が移り住み、お洒落なカフェを開く。大吉さんは突然の発作に倒れる。あたりは突然ざわつきはじめるが…。 猫を撮影する時、岩合は這いつくばって猫目線を撮る。人の撮り方も同じで、そこにはほっこり感が漂う。この映画にもそんな優しさが溢れている。 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 100% 観たい! (9)検討する (0) 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 2023年11月29日 / 私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰? 権力と闘う信念の女性の生き様で描く政治映画 2023年11月28日 / 私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰? モーリーンさんと権力側との闘いを描いた実話の社会派映画 2023年11月27日 / 燃えよドラゴン 劇場公開版4Kリマスター 私が人生の座右の銘にしている映画、『燃えよドラゴン』 more 2020年08月19日 / 大心劇場(高知県) 高知の山奥にポツンと佇む懐かしの映画館 2019年11月27日 / 前橋シネマハウス(群馬県) 今まで手つかずだった休館した映画館に再び映画の灯が… 2022年02月23日 / 長野グランドシネマズ(長野県) 長野大通り沿いに建つガラス張りのランドマーク more
ほっこりとした猫目線で描く離島の日常
岩合光昭は1950年生まれ。動物写真家であった父・徳光の助手を務めるなどして、早くから写真家を志した。79年には「海からの手紙」(朝日新聞社)で木村伊兵衛賞を受賞。アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に2年間の滞在して完成させた写真集「おきて」(86/小学館)は、世界的なベストセラーとなった。近年では、NHK-BSなどで放映中のドキュメンタリー「岩合光昭の世界ネコ歩き」が人気となっている。
『ねことじいちゃん』は、ねこまきの同名コミックを原作にした、岩合光昭の映画監督デビュー作となる。
2年前に妻に先立たれた大吉(立川志の輔)は飼い猫のタマ(ベーコン)とふたり暮らし。朝、胸苦しさを感じて目覚めると、タマが胸の上で鎮座している。相棒に「おはよう」の挨拶をすませると、台所に立って朝食の準備をする。その出来栄えが良ければ、ご機嫌の一日が始まる。そして、日課にしているタマとの散歩。島のあちこちに馴染みの顔が見えるが、どれも年寄りばかり。タマにもマイペースの縄張り巡回がある。
舞台は離島だが特定の地名は出てこない。離島が抱える高齢化過疎は、温度差はあるもののどの島にも共通の課題として地域社会にある。しかし、映画はそういう問題に踏みこむことはしない。あくまで、視線は現状を冷静に見つめる。顔を合わせればたちまち口喧嘩が始まるおばさんコンビ。幼馴染のふたりは、未練の過去にときめきを見つける。新米の診療所の医師は年寄りのわがままに振り回されるが、何とか島に溶け込みたいと考えている。そんな島に若い女性が移り住み、お洒落なカフェを開く。大吉さんは突然の発作に倒れる。あたりは突然ざわつきはじめるが…。
猫を撮影する時、岩合は這いつくばって猫目線を撮る。人の撮り方も同じで、そこにはほっこり感が漂う。この映画にもそんな優しさが溢れている。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。