岐阜新聞 映画部

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企業小説のヒットメーカー池井戸潤原作の映画化2作目

2019年04月16日

七つの会議

©2019映画「七つの会議」製作委員会

【出演】野村萬斎、香川照之、及川光博、片岡愛之助、音尾琢真、藤森慎吾、朝倉あき、岡田浩暉、木下ほうか、吉田羊、土屋太鳳、小泉孝太郎、溝端淳平、春風亭昇太、立川談春、勝村政信、世良公則、鹿賀丈史、橋爪功、北大路欣也
【監督】福澤克雄

題名は「七つの大罪」に掛けた!?

 企業小説のヒットメーカーである池井戸潤原作の映画化2作目は、驚異的視聴率だったドラマ「半沢直樹」を彷彿とさせる、顔芸・眼力・大仰なセリフで、力みに力んだ男同士の熱い対決を楽しめる、リ!キ!サクである。

 それもそのはず、監督は池井戸作品をここまで安定したヒット作に育て上げた福澤克維ディレクター。香川照之(北川部長)、片岡愛之助(坂戸課長)、北大路欣也(ゼノックス徳山社長)のメインキャストに、野村萬斎(八角係長)という極めつけの顔芸役者を主役に据え、普段テレビドラマしか見ないお客様が、映画館で映画を観て戸惑うことの無いように、分かりやすく、一切の期待を裏切る事なく作られた、お茶の間で見ても安心な娯楽映画である。

 超豪華キャストが端役の隅々にまで配され、「この人、後から何か絡むのか?」と一瞬思ってしまうが、心配ご無用。ほとんどがその場限りで一切絡みません。また、主だった俳優の役が、どんな背景を持っているかは、劇中全部説明してくれるので、置いてけぼりはくらいません。

 映画は、八角の行動に疑問を持った及川光博(原島課長)と朝倉あき(浜本)の名探偵コンビが、仕事そっちのけで縦横無尽に行動し、一歩一歩謎を解明していく。こういった謎解きの醍醐味も、2人がドンドン調べていってくれるので、複雑な話であるのに混乱することなく、「なるほど」と腑に落ちていく。

 「七つの会議」というタイトルで、ホントに七回会議があったのか?と疑問に思う節もあるが、これは恐らくカトリックの「七つの大罪」に掛けた題名であり、あまり考え過ぎず「まいっか」で済ませる方が理解しやすい。

 全体は「社会不正告発」ものでミステリータッチとなっているため、もし原作を読んでなければ「観てから読む」ことをお勧めする。少なくとも、オチに触れたストーリーは読まない事に限る。私は白紙の状態で見たが、何やかんや楽しめた作品である。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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