岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

国境を越えた遺児たちがブロードウェイの舞台を目指す

2019年04月06日

シンプル・ギフト はじまりの歌声

【ナレーション】紺野美沙子
【監督・プロデューサー】篠田伸二

心の支援を重要視しているのが素晴らしい

 第28回CINEX映画塾にて『シンプル・ギフト はじまりの歌声』を観た。「あしなが育英会」が、ウガンダのエイズ遺児と東日本大震災の震災遺児の現状を世界に知ってもらうために、彼らがブロードウェイの舞台で歌い踊るという破天荒なプロジェクトを成功させるまでの4年間を追ったドキュメンタリーである。

 世界の最貧国のひとつであるウガンダで、主にエイズで親を亡くした子どもたちのための学校を運営する、あしなが運動創設者の玉井氏。教育の力を信じる玉井氏は、100年先を見据えながら子どもたちを支援する。日本でも、東日本大震災で家族を失った子どもたちのココロに寄り添い、道を歩み始めていく彼らを応援する。

 素晴らしいのは財政的支援だけでなく、ましてや同情して施しを与えるいう偽善でもなく、「楽しいことをやって夢を実現しよう」という心の支援を重要視している点だ。人は食べるためだけに生きているわけではない。人と交わり、心から笑い、人生を豊かにするために生きているのだ。だからこそ、辛い人生もほんのチョッピリ忘れる事ができるのだ。

 映画は子どもたちに4年間密着する事で、彼らの家族を失った悲しみの表情が、少しずつイキイキとしてくる様子が見てとれ、一緒になって成長を見守るおじさんのようで、見ているこちらも嬉しくなってくる。

 合唱には最初はとまどっていたウガンダの子どもたちも、踊りとなると水を得た魚のように生き生きとリズミカルに踊りだす。それにドラムが加わると、ますます勢いを増す。日本の子どもたちも負けてはいない。和太鼓の乱れ打ちは魂の叫びであり、生きている証しだ。両方がコラボする最初の日本でのセッションは、見事にきまる。

 ブロードウェイでのパフォーマンスは、1人ではできないことも、みんなが集まって何かをすればみんな笑顔になれるよ」と、凄いパワーで証明してくれる。笑顔が素敵なドキュメンタリーだ。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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