岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

東野圭吾が提示したヒューマンストーリー

2019年01月14日

人魚の眠る家

©2018「人魚の眠る家」製作委員会

【出演】篠原涼子、西島秀俊、坂口健太郎、川栄李奈、山口紗弥加、田中哲司、田中泯、松坂慶子
【監督】堤幸彦

脳死は人の死か?向き合うための時間

 夏の日の朝、お出かけを待つふたりの子どもが、リビングから続く庭を元気に駆け回っている。プール行きの世話は母親に任せ、自らは別件をこなすのに忙しそうな薫子(篠原涼子)。出発間際に、長女・瑞穂が描いた”とても綺麗な場所”の絵を見せられるが、上の空の様子。この何気ない出来事が、後々、薫子を苦しめることになる。

 瑞穂の小学校受験のための模擬面接の会場に、別居中の夫・和昌(西島秀俊)が遅れて駆けつけるが、早々に急電が入る。瑞穂がプールで事故にあったという知らせに、病院に駆けつける薫子と和昌。ふたりに突きつけられたのは、瑞穂は脳死状態にあるという厳しい現実だった。

 一度は脳死を受け入れた薫子だったが、判定に入る寸前、瑞穂の身体が一瞬動いたことで、その判断は覆る。これは脊椎反射の一種で、脳死の診断が変わるものではないのだが…。 在宅で看護するようになった瑞穂は眠りについたままだが、薫子の献身ぶりは次第にエスカレートし、スリラーを思わせる重苦しい展開になる。

 原作は直木賞作家・東野圭吾の同名小説で、ミステリ色は薄く、未成年者の脳死と臓器移植というテーマを孕んだ、ヒューマンストーリーの趣きが強い。

 瑞穂の誕生会の場で、家族が感情をぶつけ合うクライマックスは修羅場に近いが、そこまで見せて、全方向安定の大団円で着地させてしまう堤幸彦の演出は、はなれわざの域…正直に言えば疑問だらけですが…。

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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