岐阜新聞 映画部

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独裁者の死をめぐる辛辣なコメディ

2018年09月29日

スターリンの葬送狂騒曲

©2017 MITICO・MAIN JOURNEY・GAUMONT・FRANCE 3 CINEMA・AFPI・PANACHE・PRODUCTIONS・LA CIE CINEMATOGRAPHIQUE・DEATH OF STALIN THE FILM LTD

【出演】スティーブ・ブシェミ、ジェフリー・タンバー、オルガ・キュリレンコ、マイケル・ペイリン
【監督】アーマンド・イアヌッチ

アッと驚く大国の舞台裏

 ソビエト連邦が崩壊したのは1991年12月25日。ロシア帝国を起源とする大国を支配したのはソビエト連邦共産党で、1917年のロシア革命(十月革命)後、内戦を経て1922年にソビエト連邦を成立させている。この一党支配は約70年続いたことになる。マルクスやレーニンは、神格化された歴史上の人物という、実体感の湧かない存在になってしまうが、この映画の題名にもなっている “スターリン” は、1924年のレーニンの死後に後継者となった人物で、伝説とは背中合わせだが、第二次大戦中の軍服を着たスターリンのイメージは強く印象に残り、実在感は強い。

 1953年、スターリンの粛清と言う名の恐怖政治は沸点に達し、まさに独裁者としての権力は思うがままだった。NKVD(内部人民委員部)はスターリンを筆頭にした国の最高決定機関だったが、構成メンバーは全員が独裁者の顔色をうかがうコマに過ぎなかった。

 まず、会議らしきものが描かれるが、参加した幹部連中は揃ってスターリンのご機嫌とりに必死の様子。その中で、どうやら主導権を握っているのが、第一副首相のベリヤだとわかる。狡猾なベリヤは表面上はスターリンの腹心のマレンコフを持ち上げてはいるが、一度失脚を経験したマレンコフは、扱いやすい小心ものだった。一方、フルシチョフは嫁に頭の上がらないダメぶりが強調される。その夜、スターリンは突然昏倒する。

 翌朝、瀕死のスターリンを前にした幹部連中の大慌てぶりは、ブラックコメディの常道であるグロテスクでネガティブな描写の連続で、次第に素直には笑っていられなくなる。

 スターリン死後の権力闘争は呆れるほどの展開なのだが、これがほぼ真実に沿ったものだという…これには背筋が寒くなった。

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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