岐阜新聞 映画部

映画にまつわるエトセトラ

Rare film pickup

ようこそ岐阜へ、小出恵介さん

2023年02月09日

小出恵介さん出演のお勧め映画

©2022「銀平町シネマブルース」製作委員会

俳優の小出恵介さんがCINEX映画塾へ来る!

映画の作り手の孤城であり地方文化の孤塁を守る"ミニシアター"を舞台にした『銀平町シネマブルース』の主演が小出さんだ。「心に傷を負いどん底まで落ちたひとりの男が、時代遅れの映画館に集まる仲間たちとの触れあいを通して、ゆっくりと前を向き、再生していく」という内容を聞いただけで目頭が熱くなってくる。

私が観た映画の中での小出さんは、爽やかだけど控えめ、頭はいいけど決してそれをひけらかさない真面目なイケメンというイメージだ。等身大の友だち感覚の演技が自然に出来る俳優さん。カッコいいけどフレンドリーな役柄が多く、私は軟派で喧嘩弱めの高校生を演じたデビュー作の『パッチギ!』(2005)の頃から気になっていた。

一躍注目したのが、自殺したアイドル"如月ミキ"の一周忌に集まった5人のアイドルオタクの一人・スネークを演じた『キサラギ』(2007)だ。小栗旬、ユースケ・サンタマリア、香川照之、塚地武雅という錚々たる面々に混じっても、爽やかさとイケメンぶりはピカイチであった。私はこの映画が大好きで、2007年のマイベストテン第2位に選出している。

そして決定版は箱根駅伝を舞台にした『風が強く吹いている』(2009)だ。小出さんは、箱根を目指す個性豊かな10人の大学生たちのリーダーで、みんなが入居する竹青荘の寮長を務めるハイジを演じた。彼と天才ランナー・カケル以外は全員陸上とは縁が無く、みんなハイジに騙されて半ば強引に駅伝の練習を始めるという設定。

一つ間違えば荒唐無稽な絵空事になってしまうところを、キネ旬10位という高い評価をされたのは、優れた脚本と的確な演出はもちろん、見事な管理能力と包容力があるリーダーを自然体で爽やかに演じた小出さんの功績も大きい。

箱根駅伝と言えば、当時早大競争部に親類の三田選手がおり、2009年は2区で区間賞を獲得。それもあって、この映画は大好きで、2009年のマイベストテン第1位、主演男優賞には小出恵介さんを選出している。ちなみに早大は2011年には総合優勝を果たした。

忘れてはならないのは自殺した中学生の幼馴染を演じた『十字架』(2016)だ。遺書に「親友になってくれてありがとう」と書かれているのを見て、特別親しかったわけではないのに何故?と悩む青年役を見事に演じた。お勧め映画である。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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