岐阜新聞 映画部

映画にまつわるエトセトラ

Rare film pickup

《講座レポート 前編》

2022年11月16日

『エンジン01 in 岐阜 まちなか講座』”ナンカヤローネ!守ろう!地元の映画館” 前編

講師は
荒木啓子(ぴあフィルムフェスティバル=PFF・ディレクター)
手塚眞(ヴィジュアリスト=映画監督)
寺脇研(京都芸術大学客員教授=映画評論家.プロデューサー)
林真理子(作家.エンジン01 in 岐阜・実行委員.エンジン01幹事長)
の4氏。

コロナ禍、2度の中止を経て漸くの開催が実現したエンジン01 in 岐阜の関連企画 "まちなか講座" では、当初は映画のフィルム上映が盛り込まれていたものの、今回はそれは叶わず、講師も一新された。

進行は岐阜新聞映画部部長後藤氏が担当予定だったが、急病のため欠席。代打の起用も発表されたが、当日に急遽変更するという、紆余曲折のドタバタではあったが、"ラスボス" 感たっぷりの林真理子氏の登壇が実現した。

まず、会場であるロイヤル劇場の紹介。今や絶滅危惧種のフィルム上映が可能な小屋。かつ、映写機2機を備えた設備を持つことが強調された。

フィルムでは、1巻のリールでは通常15分程度の上映しかできず、リール交換のため、2機の映写機が必要となり、交換のタイミングを潤滑に行うため、映写技師が手動でその作業を行う必要がある。その手間を軽減するため映画1本分を大きなリールに巻き直して上映する方法がとられたが、これにはフィルムを繋ぐため、結果的にはフィルムを切断し傷つけることになってしまう。

デジタル化は上映の効率などで革新をもたらしたが、恒久的な保存にはむかないため、通常フィルムで行われる。それらは文化財となっているものもあることから、貴重なフィルムはワンリールの上映館への貸出しは行われない。

ここでしか観ることのできないフィルム上映が可能な小屋は、全国に数館しが存在しない。そのひとつがロイヤル劇場なのだ。

荒木氏は映画のデジタル化に尽力されている。昨今、4K、8Kのデジタルリマスター版の上映が盛んなのだが、実情はデジタル化は少数で、フィルムのみで保存された映画は、シネコンをはじめとしたデジタル化された映画館での上映はできない。デジタル化は広い範囲での上映に必要不可欠だが、一方で、保存にはそぐわないという難点がある。

それでもデジタル化は不可欠なことと訴える。

話は "ぴあフィルムフェスティバル" に寄せられた作品の多くが8ミリで、これがデジタル化にとって更なる難題となっている実情を訴える。映画館で上映されるフィルムは35ミリ、それよりもはるかに小さいサイズであることが多くの手間を発生させる。

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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