岐阜新聞 映画部

映画にまつわるエトセトラ

Rare film pickup

専門家の解説で、映画を百倍楽しもう

2021年12月20日

アートサロンで美術を楽しむ

ゴッホの絵画の修復場面の解説は、興味津々

岐阜新聞映画部主催のトークイベントで最多の7回登壇は、岐阜県美術館の学芸員で修復・絵画担当の松岡未紗さんだ。そして今回クリスマスに開催されるアートサロン『ダ・ヴィンチは誰に微笑む』が8回目となる。

第1回目が、『謎の天才画家 ヒエロニムス・ボス』(2018年2月25日)だ。ボスの傑作「快楽の園」を徹底的に掘り下げ分析した作品で、その難解さを予想した私は、この絵についてわかる限りの予習をして挑んだ。松岡さんの解説も面白かったが、驚いたのは観客の中で5人ほど実物を観た人がいた事だ。恐るべき岐阜の人!

続いて『ゴーギャン タヒチ、楽園への旅』(2018年7月7日)。第一期タヒチ時代を描いた作品で、テフラと出会ってからのゴーギャンの姿を追い求めた伝記映画だ。この回での一番の驚きは、ゴーギャン作品の収蔵数が日本で一番多いのは岐阜県美術館ということ。知られざる自慢話だ。

ほぼ1年ぶりに『ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ』(2019年6月23日)。ヒトラーが不当に収奪した美術品を、どうやって取り戻したかの美術史ドキュメンタリーだ。いい芸術(大ドイツ芸術展)と悪い芸術(退廃芸術展)に真面目に分けていたのが滑稽だ。

当時各地で開催されていた美術展に呼応した『クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代』(2019年9月8日)。19世紀末から20世紀初頭のウィーンで、「生と死」「エロス」を題材に活躍した彼らを巡る美術探訪映画だ。美術に詳しい観客からの専門性に満ちた質問が眩しかった。

『ゴッホとヘレーネの森 クレラー=ミュラー美術館の至宝』(2019年12月14日)。松岡さんはここへ行った事があるそうで、中の様子やゴッホ美術館との違いを臨場感一杯に語っていただいた。映画に出てくるゴッホの絵画の修復場面の解説は、松岡さんの本職ということもあり興味津々だった。

『プラド美術館 驚異のコレクション』(2020年8月22日)。情報量が多すぎて面食らってしまった作品だが、観客の中で10人以上がプラド美術館にいった事があると手を上げられた。羨ましい限りである。

『レンブラントは誰の手に』(2021年4月3日)。44年ぶりのレンブラントの真作発見に伴う悲喜こもごも。絵画ビジネスの奥深さ、嫉妬深さを垣間みせられた。

そしていよいよ大御所『ダ・ヴィンチ』。私の興味はつきないのだ。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

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