岐阜新聞 映画部

映画にまつわるエトセトラ

Rare film pickup

ふたたびの篠田正浩監督〜大熱演講演会

2018年01月21日

『瀬戸内少年野球団』『東京暮色』

 2016年5月、岐阜新聞映画部の第4回CINEX映画塾では、篠田正浩監督(岐阜市出身)のトークショーが行われたが、この日は、監督の講演会が地元岡崎で開催されることになり出かけた。

昭和一桁生まれの篠田監督は現在86歳になるが、相変わらずピンと伸びた背中で足どりも軽やか、年齢を感じさせない若々しさ。
 まず、壇上に用意されたスクリーンに、『瀬戸内少年野球団』のオープニングが上映される。それは、タイトルクレジットにあたる部分で、テーマ音楽にもなっている「イン・ザ・ムード」が流れるシーン。講演はこの『瀬戸内少年野球団』の撮影秘話から始まった。
 ある日、原作者の阿久悠氏から直接電話がある。1945年8月15日敗戦の日、篠田監督は14歳で、各務原の工場へ勤労動員されていた。一方、9歳の阿久少年は、淡路島に上陸してきた米軍のジープからばら撒かれたキャンディやハーシーチョコレートに、我先に群がる子どものひとりだった。この年齢差は意外に大きなもので、焼野原と化した戦争の傷を直視した篠田監督には、敗戦を総括できていないジレンマがあった。当初、映画化の依頼を断ったのにはそんな理由があった。阿久氏は、そんな監督の思いを受けとめ、ともに、“8月15日” を見つめ直そうと口説いた。
 次の講演者は建築家の若山滋氏で、篠田監督とは「アイドルはどこから〜日本文化の深層をえぐる」(現代書館) の共同著書があり、親戚でもあるという関係。篠田監督と若山氏の対談では、松竹時代、小津安二郎監督の助監督についていた頃の『東京暮色』の撮影秘話を、小津監督の代名詞でもあるローポジションのカメラワークを、椅子から立ち上がって身振り手振りのアクションで説明。大熱演!だった。
 まだまだお元気な篠田監督!表現社50周年記念で監督のふたたびの岐阜入りを熱望する。

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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