加藤るみさんコラム『すれ違いのダイアリーズ』
3月17日(土)に映画部員として初のイベントを開催する加藤るみさん。今回は特別に、加藤るみさんが大好きな映画『すれ違いのダイアリーズ』についてコラムを書いてもらいました。
©2014 GMM Tai Hub Co., Ltd.
いま、私が好きな人をデートを誘うとしたらどうやって誘うか考えてみた。スマホを片手に「今週末空いてる?」、きっと3秒もいらないくらい早い速度で文字を打つだろう。
この映画の舞台は、タイの水上学校だ。電気もない、水道もない、携帯の電波も繋がらない僻地と呼ばれる環境。そんな水上学校に忘れられていた日記をキッカケに、男女の教師が心を通わせるロマン溢れたラブストーリーである。
日記を通じてお互いのことを知り、お互いのことを読み、お互いのことを探す。
そんな夢のような話は「映画だから」と、誰もが思うかもしれない。だが、驚くべきことは、この物語は2つの実話から生まれたありえないようでありえる奇跡のようなお話だということだ。心の洗濯映画というジャンルを作りたくなるほどピュアで素朴なストーリーに、タイ映画ならではの柔らかな雰囲気に包み込まれるのも心地いい。
©2014 GMM Tai Hub Co., Ltd.
自分と似た境遇に合っていたり、同じ経験をした相手を見つけると何にも変えられない強い絆を感じることがある。この物語は、恋愛の失敗や仕事のスランプをリアルに描き、それぞれの価値観が人生を結びつけているのも爽快だ。男性目線でも女性目線でも共感できるのが、この映画の強みとも言えるだろう。
私たちが生きる現代では、デジタルツールで1秒でも2秒でもすぐに繋がれることが当たり前だ。この作品は、アナログツールじゃなきゃ味わえない、相手をたっぷりと想う時間だったり、文字に触れる時間だったりと、現代に生きる私たちが忘れかけていたメッセージをそっと教えてくれる。
SNSで簡単に想いを伝えられる時代だからこそ、時間をかけた想いの伝達がよりロマンチックに感じるのではないだろうか。
それに、日記が紡いだラブストーリーというだけではなく、タイの教育問題にもしっかりとフォーカスが当たっている。子供たちと真摯に向き合う先生の姿は、日記が紡いだ愛と同じように心と心が通じ合う心の関係を描いていた。
子供たちの無邪気な笑顔に癒され、タイの素晴らしいロケーションにも感動する。
この作品が、日本人にあまり馴染みのないタイ映画に触れるキッカケになってほしい。
私が観た初めてのタイ映画。タイに向かって「サワディーカー」と叫びたくなった。
いかがでしたでしょうか?
3月17日(土)に開催する「加藤るみの映画館で会いましょう。」『タイニー・ファニチャー』上映&トークショーのチケットは岐阜CINEX劇場窓口、WEB・ファミリーマートで好評発売中!
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