岐阜新聞 映画部

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『今日も嫌がらせ弁当』塚本連平監督インタビュー

篠原涼子さんと芳根京子さんが親子役で共演したことでも話題の映画『今日も嫌がらせ弁当』が絶賛公開中!本作で監督・脚本を務めた塚本連平監督(岐阜県出身)にインタビューしました!塚本監督が幼少期に影響を受けた映画の話や、本作の撮影秘話など、お話を伺いました。(※一部ネタバレあり)

 

ー塚本監督は岐阜県土岐市駄知町のご出身。

塚本:はい、俳優の酒井敏也さん、尾関伸次さんと同郷ですね。あと、お笑いの神奈月さんも。もともと映画は好きだったんですけど、土岐市には映画館がなくて、多治見市までバスや自転車で行って映画を観てましたね。そのうち名古屋まで行くようになりました。

 

ー映画が好きになったきっかけは何ですか?

塚本:兄に小学5年生の頃、地元の映画館によく洋画を観に連れて行かれて好きになりました。パニック映画やオカルト映画など観るものすべて面白かったですね。『エクソシスト』『タワーリング・インフェルノ』『ジョーズ』『悪魔のいけにえ』、アクション映画では『ロンゲスト・ヤード』が大好きだったですね。あと、ブルース・リーの『燃えよドラゴン』ですね。当時はスピルバーグ監督の『激突!』と2本立てで観ました。両方とも面白くて強烈でした。

 

ーその頃には、映画監督を目指していた?

塚本:そうですね。いつしか映画監督になりたいと思い始めて、中学2年ぐらいには進路相談で先生に言ったら笑われました。でも、その先生とは今も仲がいいですけどね(笑)その頃は、映画監督を目指すには厳しい時代で、ビデオの普及で映画館も減って、日本映画は斜陽だったですからね。

 

ーそれでも映画監督になる意思は貫いた。

塚本:ほかに好きなものがなかったというのもあるんですが、テレビドラマの方に行きました。映画監督の募集はなかったので、いろんな現場に行きましたね。

 

ー2004年には『ゴーストシャウト』で映画監督デビュー。コメディやホラーがお得意?

塚本:コメディタッチのものは好きですね。テレビドラマでも7、8割はそうですね。それは、いろんな世代が観ても笑えて、子供も親も一緒に観られる作品を作りたいからですね。

©2019「今日も嫌がらせ弁当」製作委員会

ー新作『今日も嫌がらせ弁当』は、まさに親子で楽しめる映画ですね!

塚本:もちろん、いろんな人たちに観ていただきたいです。普段はなかなか映画館に来れない、お子さんにお弁当を作ってる世代に一番観て欲しい映画ですね。

 

ーこの映画との出会いは?

塚本:kaoriさんの原作はすでに話題になっていて、本屋で2ページ読んだだけで声を出して笑いました。すぐに本を買って、映画化のプロットのコンペに参加したら私の案が採用されました。

 

ーキャスティングが見事だと思いますが、ご苦労は?

塚本:母親役が篠原涼子さんに決まってから順調に進みました。篠原さんには気に入ってもらい、イメージ通りの母親を演じていただけました。いろんなキャラ弁を作るという話は、目に浮かぶんですけど、ストーリーの軸を作っていくのはなかなか難しかったです。

キャラ弁は、試作品含めて本番用まで100種類以上作りました。フードコーディネーターの方には、オリジナルの再現から雰囲気を研究してもらって、多少アレンジもしてもらいました。そのあたりも観て欲しいですね。

©2019「今日も嫌がらせ弁当」製作委員会

ーイチ押しのシーンは?

塚本:いろんな場面を楽しんでもらいたいですが、篠原涼子さんが涙をポロポロ流すシーン、娘から手紙が来て、喋らなかった娘の気持ちを理解して親心が報われるシーンですね。親心が報われるというところにはこだわりました!

 

 

インタビューは、福田雄一さん(映画監督)、町山智浩さん(映画評論家)との交流の話から、映画雑誌「映画秘宝」を創刊時から買っていた映画マニアな話、〝しょーもない映画〟について今もインスタしてる話、まだ言えない次回作の話、実家では岐阜新聞は読んでなかった話…などに多岐に渡りました。それはまた、別の話ということで。お忙しい中、本当にありがとうございました。

 

岐阜県出身・塚本連平監督の『今日も嫌がらせ弁当』は全国絶賛上映中!

8月17日(土)からは岐阜CINEXで上映が始まりますので、ぜひ劇場でご覧ください!

<映画公式サイト>

http://www.iyaben-movie.com/

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