岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

Meet somewhere

不良性感度満載!東映任侠映画の筋立ての学園ドラマ

2024年08月26日

暴力教室

©東映

【出演】松田優作、舘ひろし、山本由香利、安西マリア、村上一海、佐藤秀光、玉川雅己、渡辺和裕、大久保喜一、ジェームス藤木、南条弘二、津森正夫、高品正弘、松本智正、酒井努、河合絃司、小林稔侍、室田日出男、山田光一、平井一幸、山本緑、結城なほこ、田中久子、相馬剛三、五野上力、佐藤蛾次郎、伊藤慶子、村松美枝子、青木卓、守山竜二、丹波哲郎、小畠絹子、安部徹、名和宏
【監督】岡本明久

松田優作と舘ひろしは、高倉健と池部良だ

ロイヤル劇場で念願の『暴力教室』を観た。自分が高校生の頃は、強い者や不良っぽい生き方に憧れる夢想から、萩原健一や水谷豊、松田優作に夢中であった。

松田優作は、背が高くて運動神経が良くてぶっきらぼうでカッコよく、テレビの「太陽にほえろ」のジーパン役や「俺たちの勲章」での中村雅俊との刑事コンビ役など、夢中になって観ていた。

映画ファンになりたての1974年に公開された『ともだち』『竜馬暗殺』『あばよダチ公』は、大学生になって以降に劇場やビデオで観たが、『暴力教室』は1976年7月1日の封切りで、ヤンチャな友人たちは観に行ったようだが、さすがに真面目な受験生の私は観に行ってない。それ以降観るチャンスはなく幻の映画であった。

「学園ドラマ」と銘打つものの、人物設定と構図は東映任侠映画である。そして暴力描写はブルース・リーを代表とする香港アクション映画をパクっている。

熱血教師が、不良がはびこる私立高校へ赴任してくるのは、当時流行の「青春学園ドラマ」と一緒だが、これを東映が作るのだから、教師は元プロボクサーの体育教師(松田優作)となるし、生徒は舘ひろし(映画初出演)を筆頭に、「不良」が売り物のロック・バンド、クールス総出演という本物っぽさだ。

ヘルメット着用義務化前のオートバイでの走行や、教師がずっと咥えたばこだったり、普通に女性の胸が露になる粗っぽさなど、時代を感じさせる描写もいっぱいで、コンプラなんかクソくらえは、昭和の映画あるあるだ。

学園の理事長が安部徹で、校長が名和宏という「こいつら絶対悪徳だわ」とすぐにわかってしまう配役は東映映画の定番だし、教師仲間の室田日出男がもちろん生徒にやられてしまうなど、お約束ごとなのだ。

ラストは、日本刀をふるって襲いかかる安部徹をぶちのめした松田優作と舘ひろしが、警官隊に向かって歩いていく。任侠映画と同じだ。観られてよかった。

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

観てみたい

100%
  • 観たい! (4)
  • 検討する (0)

語り手:ドラゴン美多

中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。

ページトップへ戻る