岐阜新聞 映画部

いま、どこかで出会える作品たち

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夢を託す! 謎の生物を追うドキュメンタリー

2024年07月02日

おらが村のツチノコ騒動記

©2024 工房ギャレット

【監督・編集・ナレーション】今井友樹

民俗学では妖怪 UMAでは小物扱い トカゲでもヘビでもない

ぽんつくという言葉を知っていますか?

検索してみると、最初に出てくるのが…

"ぽんつく" は、北九州地方の方言で、「ちょっと"抜けた" ところがあるけれど、愛嬌があって憎めない人」とある。しかし、最近では使われていなくて、所謂、死語に近い言葉であるともあり、別の使われ方として、北九州の銘菓の名称として使われている。説明によれば、そのぽんつくという菓子は、ふわふわとしたつかみどころのない形態だけれど、口にすると美味しい、とあり、何だかわかったようなわからないような…。

また、新潟地方の方言では、その意味は "間抜けな人" で、北九州地方にある愛嬌があるといったホローはなく、間抜けとか、阿保とった侮蔑系の悪口に使われているようで、実は驚いた。

わたしが生まれ住んでいる愛知県三河地方では、ぽんつくは、魚獲りのことで、もうちょっと広げると、田んぼを漁ってコブナやドジョウやオタマジャクシを獲るという、夏休みに子どもよくする遊びのことをいう言葉=方言だった。

昔、そのぽんつくに出かけた時、邪魔モノとなるのは蛇だった。網を片手に草むらに入っていくと、よく蛇に遭遇した。マムシは毒があるから、区別がつかないから触らないこととか、子どもなりの浅い知恵があって、蛇は恐怖の対象だった。

『おらが村のツチノコ騒動記』は、未確認生物ツチノコの存在を追ったドキュメンタリーである。

冒頭、今井監督が故郷である岐阜県東白川村で、実の父上にインタビューするシーンがある。祖父母の頃からの言い伝えでもあるツチノコのこと、村の目撃談ー東白川村では1988(昭和63)年に、村の広報誌にツチノコの目撃談が掲載されたことをきっかけに、ツチノコの探索はイベントとなり、村おこしを兼ねた年中行事に発展した。

この故郷で芽吹いた好奇心から端を発し、取材は全国に広がり、9年の歳月を要し映画は完成した。

頭は蛇で胴体はビール瓶のように太く、体長は蛇ほど長くはなくて、短い尻尾のようなものがある…ぽんつくの最中、"何か" に追いかけられたことがあった。それは映画の目撃談にある、"空飛ぶ" ような感覚だった…あれはツチノコか?

語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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語り手:覗き見猫

映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。

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