岐阜新聞映画部映画館で見つけた作品ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター B! 4Kで甦る 憎悪の泥に塗れた官能的な愛の物語 2024年04月24日 ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター ©1992 JAN CHAPMAN PRODUCTIONS&CIBY 2000 【出演】ホリー・ハンター、ハーヴェイ・カイテル、サム・ニール、アンナ・パキン 【監督・脚本】ジェーン・カンピオン 海岸に佇むピアノとマイケル・ナイマンの美しい旋律 ジェーン・カンピオン監督はニュージーランドの首都ウェリントンに生まれた。父親は舞台監督、母親は舞台俳優という演劇一家で、育ったのはオーストラリアのシドニーだった。 大学では人類学を専攻し、1975年の卒業後にはヨーロッパに渡り、イタリアやイングランドに滞在。ロンドンの広告会社で助手を務めたりした。 オーストラリアへ帰国後の79年からは、シドニーの "カレッジ・オブ・アート" で絵画を学び、在学中の80年には、初の短編映画を制作した。 81年からは、"オーストラリア・フィルム・テレビジョン・アンド・ラジオスクール" で、映画制作を学んでいる。 その在学中、82年に発表した『ピール』は、カンヌ国際映画祭で、短編映画部門のパルム・ドールを受賞した。 それから10年。1993年第46回のカンヌ映画祭でパルム・ドールを受賞したのが『ピアノ・レッスン』である。 1800年代の半ば、エイダはひとり娘のフローラとともに、スコットランドからの長旅を終え、ニュージーランドの海岸に辿り着く。 荷物とともになかば放置された母娘に、ようやくエイダの嫁ぎ先であるシチュアートが迎えに来るが、大切なピアノは置き去りにされてしまう。 ニュージーランドはポリネシア民族である "マオリ人" が、10世紀の後半に発見した地だが、1642年にオランダ人の初渡来後、1769年にはイギリス人クックによる探検を経て、1840年にイギリスによる直轄の植民地となった。 映画の時代設定時は、移住が盛んになった頃で、エイダがぬかるんだ悪路に苦労しながらも辿り着いた農園には、マオリ人を使用人にした、スチュアートの一族が暮らしていた。 迎えに来た一団の中に、ヨーロッパ人でありながら顔面に刺青を施し、マオリ人に同化したペインズがいる。はじめ、その粗野な振る舞いに嫌悪すら感じたエイダだったが、ピアノの個人レッスンに通ううち、ふたりには情が生まれ、やがて激しい愛情に昇華していく。 物語はもつれた三角関係がドロドロとした憎悪に変わる進行だが、エイダの奏でるピアノの旋律が不思議と優しさへと誘う。道徳とか貞操とかを超越した愛の姿…あなたにはどう見えるのか? 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 100% 観たい! (6)検討する (0) 語り手:覗き見猫映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。 2024年05月17日 / 一月の声に歓びを刻め 三島有紀子監督が、自分自身と向き合った自伝的映画 2024年05月17日 / 一月の声に歓びを刻め 自らの体験を反映させた三島有紀子監督の渾身作 2024年05月17日 / マリア 怒りの娘 11歳の少女の眼に映る現在のニカラグア more 2019年11月13日 / 静岡東宝会館(静岡県) 映画を観るなら七ぶらで…生粋の映画ファンが集う映画館 2023年09月27日 / 小山シネマロブレ(栃木県) まるで美術館のようなロビーがある駅前のシネコン 2023年11月27日 / イオンスペースシネマ野田(千葉県) 遊園地が併設するショッピングセンターの映画館。 more
海岸に佇むピアノとマイケル・ナイマンの美しい旋律
ジェーン・カンピオン監督はニュージーランドの首都ウェリントンに生まれた。父親は舞台監督、母親は舞台俳優という演劇一家で、育ったのはオーストラリアのシドニーだった。
大学では人類学を専攻し、1975年の卒業後にはヨーロッパに渡り、イタリアやイングランドに滞在。ロンドンの広告会社で助手を務めたりした。
オーストラリアへ帰国後の79年からは、シドニーの "カレッジ・オブ・アート" で絵画を学び、在学中の80年には、初の短編映画を制作した。
81年からは、"オーストラリア・フィルム・テレビジョン・アンド・ラジオスクール" で、映画制作を学んでいる。
その在学中、82年に発表した『ピール』は、カンヌ国際映画祭で、短編映画部門のパルム・ドールを受賞した。
それから10年。1993年第46回のカンヌ映画祭でパルム・ドールを受賞したのが『ピアノ・レッスン』である。
1800年代の半ば、エイダはひとり娘のフローラとともに、スコットランドからの長旅を終え、ニュージーランドの海岸に辿り着く。
荷物とともになかば放置された母娘に、ようやくエイダの嫁ぎ先であるシチュアートが迎えに来るが、大切なピアノは置き去りにされてしまう。
ニュージーランドはポリネシア民族である "マオリ人" が、10世紀の後半に発見した地だが、1642年にオランダ人の初渡来後、1769年にはイギリス人クックによる探検を経て、1840年にイギリスによる直轄の植民地となった。
映画の時代設定時は、移住が盛んになった頃で、エイダがぬかるんだ悪路に苦労しながらも辿り着いた農園には、マオリ人を使用人にした、スチュアートの一族が暮らしていた。
迎えに来た一団の中に、ヨーロッパ人でありながら顔面に刺青を施し、マオリ人に同化したペインズがいる。はじめ、その粗野な振る舞いに嫌悪すら感じたエイダだったが、ピアノの個人レッスンに通ううち、ふたりには情が生まれ、やがて激しい愛情に昇華していく。
物語はもつれた三角関係がドロドロとした憎悪に変わる進行だが、エイダの奏でるピアノの旋律が不思議と優しさへと誘う。道徳とか貞操とかを超越した愛の姿…あなたにはどう見えるのか?
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。
語り手:覗き見猫
映画にはまって40数年。近頃、めっきり視力が衰えてきましたが、字幕を追う集中力はまだまだ大丈夫です。好きなジャンルは? 人間ドラマ…面白くない半端な回答…甘い青春映画も大好きです。