岐阜新聞映画部映画館で見つけた作品『インファナル・アフェア 4K』3部作 B! 4Kで蘇った、香港製フィルムノワールの傑作 2023年12月08日 『インファナル・アフェア 4K』3部作 ©2002 Media Asia Films (BVI) Ltd. All Rights Reserved. ©2003 Media Asia Films (BVI) Ltd. All Rights Reserved. ©2003 Media Asia Films (BVI) Ltd. All Rights Reserved. 分かり易い構成とスタイリッシュなアクションシーン 1997年の英国から中国への香港返還後、低迷していた香港映画界に起死回生の一作が登場した。『インファナル・アフェア』である。 『悲情城市』(1989)の聾者の役で注目され、ウォン・カーウァイ監督の諸作でトップスターとなったトニー・レオンと、香港を代表する歌手兼俳優で四大天王と呼ばれたアンディ・ラウが共演した本作は、香港製フィルムノワールの傑作として全世界で評価された。 トニー・レオン(役名ヤン)が香港警察から黒社会へ送り込まれた潜入捜査官、アンディ・ラウ(役名ラウ)が黒社会から香港警察へ送り込まれたスパイという二重構造は、香港映画に詳しくない観客にとっては斬新な設定であった。 その破格の面白さは、『ディパーテッド』(2006)としてレオナルド・ディカプリオとマット・デイモンの共演でハリウッドでリメイクされ、巨匠のマーティン・スコセッシ監督にとって唯一のアカデミー作品賞と監督賞に輝いた作品となった。日本でもキネ旬ベストテンで、香港娯楽映画としては初めてベストテンの9位にランクされている。 そのあと前日譚と後日談も制作されて全3部作となったが、本年4Kにバージョンアップされて限定公開、CINEXでも連続公開される事になった。女性映画に強いCINEXとして画期的である。 私はいち早く20年ぶりに岡崎で観てきたが、いささかも古びた感じはせず、話が入り組んでいるが分かり易い構成やスタイリッシュなアクションシーンはあらためて感服した。ストーリーはここには書かないが、とにかく飽きさせず素晴らしい。 今回久しぶりに観て気が付いたのは、脇役陣の上手さだ。ヤンを黒社会へ送り込んだ上司ウォン警視役のアンソニー・ウォンはもちろん、黒社会のボス・サム役のエリック・ツァンがいい。そこらのおっさん風なのは、あたかも『仁義なき戦い』の金子信雄(山守親分)である。 観てない方は是非劇場へ! 語り手:ドラゴン美多中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。 100% 観たい! (8)検討する (0) 語り手:ドラゴン美多中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。 2024年05月17日 / 一月の声に歓びを刻め 三島有紀子監督が、自分自身と向き合った自伝的映画 2024年05月17日 / 一月の声に歓びを刻め 自らの体験を反映させた三島有紀子監督の渾身作 2024年05月17日 / マリア 怒りの娘 11歳の少女の眼に映る現在のニカラグア more 2019年05月08日 / ディノスシネマズ札幌劇場(北海道) 映画を送り続けて半世紀…北の都の老舗劇場が幕を降ろす 2020年12月09日 / 第七藝術劇場(大阪府) ディープな街、十三にある個性派ミニシアター 2018年12月26日 / 高崎電気館(群馬県) 閉館された映画館にふたたび灯がともる時 more
分かり易い構成とスタイリッシュなアクションシーン
1997年の英国から中国への香港返還後、低迷していた香港映画界に起死回生の一作が登場した。『インファナル・アフェア』である。
『悲情城市』(1989)の聾者の役で注目され、ウォン・カーウァイ監督の諸作でトップスターとなったトニー・レオンと、香港を代表する歌手兼俳優で四大天王と呼ばれたアンディ・ラウが共演した本作は、香港製フィルムノワールの傑作として全世界で評価された。
トニー・レオン(役名ヤン)が香港警察から黒社会へ送り込まれた潜入捜査官、アンディ・ラウ(役名ラウ)が黒社会から香港警察へ送り込まれたスパイという二重構造は、香港映画に詳しくない観客にとっては斬新な設定であった。
その破格の面白さは、『ディパーテッド』(2006)としてレオナルド・ディカプリオとマット・デイモンの共演でハリウッドでリメイクされ、巨匠のマーティン・スコセッシ監督にとって唯一のアカデミー作品賞と監督賞に輝いた作品となった。日本でもキネ旬ベストテンで、香港娯楽映画としては初めてベストテンの9位にランクされている。
そのあと前日譚と後日談も制作されて全3部作となったが、本年4Kにバージョンアップされて限定公開、CINEXでも連続公開される事になった。女性映画に強いCINEXとして画期的である。
私はいち早く20年ぶりに岡崎で観てきたが、いささかも古びた感じはせず、話が入り組んでいるが分かり易い構成やスタイリッシュなアクションシーンはあらためて感服した。ストーリーはここには書かないが、とにかく飽きさせず素晴らしい。
今回久しぶりに観て気が付いたのは、脇役陣の上手さだ。ヤンを黒社会へ送り込んだ上司ウォン警視役のアンソニー・ウォンはもちろん、黒社会のボス・サム役のエリック・ツァンがいい。そこらのおっさん風なのは、あたかも『仁義なき戦い』の金子信雄(山守親分)である。
観てない方は是非劇場へ!
語り手:ドラゴン美多
中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白さから映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。
語り手:ドラゴン美多
中学三年の時に見た「日本沈没」「燃えよドラゴン」のあまりの面白から映画の虜になって四十数年、今も映画から夢と希望と勇気をもらっている、ファッションチェックに忙しい中年のおっさんです。